今年2月20日のフジテレビワイドショー「とくダネ!」でサッチーとニューロティカが新宿ロフトで行ったライブ映像を見ながらキャスター小倉は「この若者達はいくらもらって来たの? こんな風にのれるわけないでしょ?」と発言した。この発言に抗議し続けているこのまか不思議な「小倉あやまれ!友の会」の運動が、まだ続いている。
まあ、政治的な主張もあるわけでもなく、ただ「とくダネ!」キャスターの公共の電波を使った、ありもしないウソ発言に一言「ごめんな!、俺も音楽(ジャズらしい? 札幌にスタジオも持っているという)やっているけど、ちょっと口がすべっちまってよ!」ですむ問題なのだ。
何も慰謝料を要求している訳ではない。「間違ったのなら謝って」という人間として当たり前の事を要求しているのだ。しかし、こんな簡単な事が大看板会社フジテレビではむずかしいらしい?
こんな事が普通に通用する、風通しのいい、社会が来れば良いなと思っているだけなんだ。
そもそも、この事件は「(日刊スポーツで)阪神野村監督までが小倉発言に激怒しているのに、伝統あるロフトのロック野郎は何をしているんだ!」という一通の抗議電話からこの戦いは始まった。「その公共の電波を使って小倉のウソ発言で一人でも傷ついている人がいるのなら、謝るのが当然」と言うのが私たちの主長だ。
今年5月20日のお台場フジテレビ抗議包囲デモ(200人の参加者を得て、警備陣や公安と戦いながら、よく見られる無理矢理動員された「無気力デモ」でなしに、ちゃんと「密集デモ、ジグザグデモはやったぞ! 最後はフジテレビロビー占拠」)は、多くのマスコミを驚かせた。
しかし、フジからの返事はない。無視を決め込むつもりなのだろうか? たった一回だけ来た返事は「あれはジョークだったので謝る必要ない」との門前払い通知だけなのだ。この西渕(「とくダネ!」プロデューサー)発言は、みんなを激怒させた。ロックをバカにしていると思った。
6月28日お台場、ホテル日航で開かれた「フジ株主総会」に出席して、13年前クーデターで権力を手中に修めた日枝社長に直接この質問するしかないと判断した。
しかし、悲しいかな我々は「フジの株」がない。今から買っても間に合わない。
そこで、ヤフーファイナンス掲示板に、まあ、無理だろうと思いながら「ロックをこよなく愛するフジの株主の皆さんに・・」というタイトルで、株主総会入場券と委任状、議決行使券を譲ってくださいとお願いした。そうしたら、なんと複数枚の委任状その他が「友の会」に送られて来たのにはビックリした。フジの株主さんの中にもロックファンがいるんだと思ったら嬉しくなってしまった。
6月28日朝9時、我々はフジ株主総会に乗り込んだ。なんと、デモの当日とは違って、会場周辺は実に物々しい警戒態勢であった。しかし我々は、ネクタイを締めて、極めて礼儀正しく、総会を混乱させるのが目的でなく、ただ当たり前のことを質問するつもりで、丁重に人間と人間として日枝社長に質問するつもりだった。(前日の友の会作戦会議で決定された)
しかし、当日総会会場受付で、「お前平野だろう! お前会長の小林だろう!」と大声を張り上げた屈強なガードマン数十人に我々は取り囲まれ、入場を実力阻止されてしまった。それも、私たちが持っている「委任状、議決行使券」すら見ようともしないのだ。昨年までは株主委任状を持っている人は会場に入れたというのに、会場受付でもみ合うこと2時間。一方、フジ株主総会は半分以上の株主社員(彼ら全員が株を持っているとは信じられないが)の「異議なし、議事進行」の総会屋顔負けのシャンシャン大会で終わったそうだ。
まさか会場に入れないとは予想もしていなかった私たちは途方にくれた。我が方のカメラで撮影されることを極度に嫌うフジテレビ社員に撮影隊のカメラまでたたき落とされ破損した。やはり彼らも後ろめたいのだろう。立ち会ったフジの弁護士は自分の名前さえ言えない。なんとも情けない株主総会だった。
6月24日(日)。我々は小倉氏が経営する中野坂上にあるラーメン・焼き肉店にて、予約を申し入れ、集会を持った。一人5000円の会費ながら20名もの友の会会員が参加した。わたしゃ、そんな行動イヤだと言い張ったのだが(だって、もし私が小倉の部下だったら、一番まずい肉を、唾でも入れて出したに違いないからだが・・)、しかし、焼き肉は結構美味しかったよ。あわてる店長の連絡で小倉氏がやって来ることを期待したのだが、来るわけがなかった。仕方がないので宴会場の壁を友の会の色とりどりの旗を飾ってアルバイトの店員をオルグして遊んだ。みんなには5000円の会費はつらかったに違いない。今度は直接小倉さんの家に行くしかないかとの結論が出た。
7月7日零時より、フジ特ダネ掲示板に「サイバーアクション」行動が始まった。とにかくこの掲示板は結構番組の批判は削除されないのに、我々のたまたまの書き込みだけは、いつも一方的に削除されてしまうのに抗議しての行動だ。又、よせばいいのに、誰かが2チャンネルにこの行為を書き込んだから、何百名の2ちゃんネラーが面白がってこの掲示板に殺到した。
しかし、書き込みを開始してから間もなくして掲示板は3日間に渡ってアクセス不能となった(これはサーバダウンではなく管理者によるアクセス禁止処置と思われる)。やっと再開されたこの「特ダネ掲示板」は管理人のなんの釈明もなく、書き込みは全て削除され、何事もなかった様に再開された。
7月14日小倉の親分大橋巨泉氏が民主党から出馬するという。私たちは、当然小倉の責任は親分である巨泉氏にも責任があると考え、巨泉事務所と民主党本部に「公開質問状」を送付した。内容はなんとか、巨泉さんの社長という立場から小倉氏に口添えをお願いしたいと言う文面にした。
返事は来るのか?
このとてつもない梅雨さえ吹き飛ばしてしまう、クソ暑い夏。多くの知人から「もうやることはやったし、さすがはロック魂という評価はあがっているし、もうやめたら?」という忠告は多い。しかし、私たちは相手のねらいが「今の若い奴なんてどうせ口先ばかりで何もできやしないさ」から始まって「すぐ飽きてやめるさ、それには無視が一番」という態度を改めないがぎり、振り上げた拳は下ろしようがない。「負け犬」にはなりたくない。
「継続は力なり」「面白くないことには断固怒ろう」「どんな小さな俺達でも諦めないで戦えば道は開けるんだ!」と言うことを確信を持って実践したい。そのことが多くの若者達に勇気と力を与えるのだと思ってやまないのだ。
この号が出る9月1日には選挙結果が出ているだろうが、突破者、宮崎学が当選して、国会をアウトローよろしく徘徊したら絶対面白いと思うのだが、当選はやはり無理か? 受かったら面白いな〜と思う日曜日の昼下がり・。蝉の声すら聞こえない!
ロフトプラスワン席亭・平野 悠
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