俳優・馬券師・変態・酒井一圭。戦隊シリーズ・25周年記念作品としてシリーズ随一の弾けっぷりを見せた“百獣戦隊ガオレンジャー”の、牛込草太郎=ガオ・ブラックを演じた男である。その彼が、来たる11月28日、ロフト・プラスワンにてイベントを敢行!  「しんじゅく酒井祭」と称するこの謎のイベントの正体と、彼の人となりに迫る!!(interview:中込智子)

 

あばれはっちゃくになるために劇団に入った
一一酒井さんと言えばやはり“ガオレンジャー”ですが、その半年前に演じられた『仮面 ライダークウガ』のガメゴ役も強烈でしたよね。
酒井「非常に強いゴ軍団が登場し、その中でも一番強い役という話だったのに、僕はあっさり殺されちゃって(笑)。本当は、かつて“横浜ばっくれ隊”で共演した葛山(信吾)君や大塚(よしたか)君ともうちょっと一緒に演りたかったんだけど、でも結局、絡みもなく(笑)」
一一はははは。ばっくれ隊は約10年前の作品ですが、この辺りで俳優を志されたんですか?
酒井「いや、実はコレが復帰作だったんですよ。小3の時に“あばれはっちゃく”を演って、一度やめて、これで復帰したんです。だから役者になったきっかけは……小2の時に児童劇団に入団したんですよ。最初は泣き虫だったんですが、保育園の年中組の後半くらいから段々身体がデカくなって、そしたら女の子にもモテるようになって(笑)。でね、その保育園で、僕らの時代はサンバルカンごっことかをやるわけですが、自分でイーグルをやりたいと言わずとも、『一圭はイーグル!』という環境ができ上がって。また、それを保育園の先生が見てて、学芸会の時も重要な役を振ってくれたり。とにかく常に一圭メインっていう環境がどんどん整って行って、次第に自分でも『プロになりてえ!』と思うようになっていったんです。で、当時僕は戦隊モノとあばれはっちゃくが大好きで、あばれはっちゃくになる為に劇団に入リ、そして小3の夏に5代目あばれはっちゃくになるんですよ」
一一凄いですね! でも、当時は学校とか大変だったんじゃありませんか?
酒井「全然行けなかった。だから小3の時の通知表がね、よくできる・できる・ふつうの3段階評価なんですけど、でも僕のは項目の所に斜線が引いてあるだけなんですよ。結局、学校に来てないから評価できないって言われて、それにガーン!っときて一度辞めちゃうんです。それからは普通 に大暴れしながら学校生活を送りつつ、高校2年生になって……長いこと芝居から離れてたから、もう一回修行しようと思って小劇団に入るんです。それがきっかけになって、ばっくれ隊の話が来たんですよね。まだ卒業アルバム撮る前だったんで、『えーっヤンキー? パンチかよ?』とは思ったんですが、でも演りてえから演る!と行ったらば葛山君とか辺見(えみり)が居て、自分の役も4番手ぐらいで『うぉー!』っと思って速攻ソリ込み入れました(笑)」
一一はははは。そしてその後は?
酒井「土方のバイトをしながら稽古に通ってました。“人間の翼”で戦争映画を経験して、“シン・レッド・ライン”の日本兵役も演ったり。でも基本的には、ばっくれのヤンキーより余っ程悪い、酷っいことをしてました(笑)。ええもう、それはついこの前まで! ガオが決まってさすがに『もうできないー』となるまで……」

もう、お前ら、墓場だから 「うるせえよ、やるよ! 俺らは絶対やる! 子供が幼稚園や公園で真似して暴れてくれるよう、俺等も大暴れする」
一一(笑)。とにかくここでガオに至り。
酒井「はい。役が決まって、その企画書を見た時に、『25周年記念作品として王道戦隊を復活させる!』って書いてあったんですよ。で、『やるしかねえ!』ってことを口に出して行こうと思ったんですよね。出演者みんな、貧乏だったり、不安を抱えてたりもしてた。年の近いスタッフに『もうお前ら、墓場だから。これが終わったらもう仕事ないぞ。どうする?』ってハッパかけられて、『うるせえよ、やるよ! 俺らは絶対やる!』って……だから自分たちでも、ちょっとでも出してくれるメディアがあるならどんどん出てったし、とにかく番組をアピールしようと頑張った。僕自身クウガに出て、ライダーが凄いことになりつつあるっていうのも肌で感じてたから、この戦隊もさらに盛り上げよう!って。そしてやっぱり、僕がサンバルカンごっこに夢中になったように、子供が幼稚園や公園で真似して暴れてくれるよう、俺等も大暴れするぜ!と」

実験的なPRではじめた酒井祭
一一ああ。私も常々パンク・ロックのような作品だと思ってたんですが(笑)、その爆発がいい感じで番組全体に反映されたという。
酒井「ええもう、バリバリパンクです。でね、酒井祭っていうのは……去年の8月に1回やったんですが、さっき言ったその外に対するPRを練る中での実験だったんですよ。自分たち主催でイベントをやるのって面 白いんじゃないか?って。手作りで、やれるとこまでやってみようぜ!って……まあ内容は目っ茶苦茶だったんですけど、とにかくまさにDIYでした(笑)。それと、レッドじゃなくてブラックがやることによって、最低ラインも分かる!(笑)(※昨年8月に行われた酒井祭は手作りのイベントながら、パルテノン多摩で行われ入場希望者殺到。収容した人数だけでも2日間で延べ600人以上を集めた。これが契機となり東映サイドでも「祭」と名のつくイベントが開かれるようになったという)。でも本当、目の前にお客さんがいるっていうのは、凄く励みになったし、いろんなことが分かったんですよね」
一一はい。そして今回の「しんじゅく酒井祭」は?
酒井「場所も地下に潜るということで、今度は結構ダークな感じになると思います。酒井祭と言うからには、実験的でありたいのが1つ。だから、今あるものを壊しつつ、とはいえ、どうなるかは自分でもまだよく分からないんですが……ひょっとしたら……いや、やっぱ判りませんねえ(笑)」


●「しんじゅく酒井祭」(前売当日とも即日完売SOLD OUT)
11/28(木)18:00開場/18:30開演@ロフトプラスワン

●「クリスマス・ディナーパーティー」
12/20(金)19:00〜21:00@東京ドームホテル バンケットホール
http://www.knt-shi.com/kazuyoshi/index.html

●「金子昇&酒井一圭クリスマス・ディナーパーティー」
12/23(月)16:00〜19:00@三井アーバンホテル大阪ベイタワー4F
http://www.musiclifeoffice.com/

酒井一圭Official Site FEVERS-777-
http://www.vt.sakura.ne.jp/~plot/