パンク界の兄弟船、かたい、かた〜い友情で結ばれた二バンドGELUGUGU＆ニューロティカ。数年前から一緒にツアー回ったりスプリット出したりという癒着っぷり(?)の彼らが、今年もまたスプリット「カスタネットを鳴らそうぜ！」を発売！　しかも当然一筋縄じゃあいかない内容ですヨ！　今年こそ、一緒にピリオドの向こう側に行くべく珍企画計画中のGEN&あっちゃんへのインタビュー！！　　　　　　　　　　　　
(interview : 北村ヂン)

──GELUGUGUとニューロティカなんですけど、最近本当に一緒に活動することが多いじゃないですか。なんなら誰かホモなんじゃないかって勘ぐるくらいのイキオイで……。そもそもの出会いってなんだったんですか？
GEN　僕の方はもう中学卒業するくらいから知っててすごい好きだったんですけど、バンドとして知り合ったのは四年くらい前ですかね。
アツシ　ちょうどその頃POTSHOTと仲良くなって、ライブとか観に行ったら対バンで出てたんですよ。
GEN　ジュンスカの森純太さんとあっちゃんが一緒に来てて、それでみんな「ジュンスカのギターだ〜」ってなってたんですけど、パッと見たらあっちゃんがおって、ボクにしてみたらホンマにジョン・レノンよりイノウエアツシですから！　そこで、ちょうどボクらの初ツアーの予定が入ってたんで共演を依頼して。
──GENさんって80年代の日本のパンクやロックに対してすごいリスペクトがありますもんね。
GEN　もうこれはお世辞じゃなくて、ホンマに高校の時ニューロティカのコピーバンドやってたんすよ、文化祭で。でも、その頃「DRINKIN'BOY」はもう出とったと思うんですけど、全然うけなくって(笑)。……高三の時にジュンスカしたらすごいうけましたけどね。
アツシ　本当にいつまでたってもアイツら目の上のタンコブだよなぁ〜。その日も、みんな純太には気づいてたけど、オレには気づいてくれなくて(笑)
GEN　みんなイノウエアツシには気づいてなかったですね。
──そんな、ちょっとさみしい思いをしてた所にGENさんから声をかけられたんですね。
アツシ　「ニューロティカ好きなんです」とか言われると、すぐ対バンしちゃうからね。色んな情報でGELUGUGUのGENちゃんがロティカ好きだとか、POTSHOTのRYOJIくんが好きだとか、ロリータが好きだとか聞くと、すぐにそのライブ行って「おう、よかったよ〜今日のライブ」なんて偉そうに言って(笑)打ち上げはもう打ち合わせになっちゃうから。まあ、こっちもすごい興味持ってたんで、是非って感じでしたよ。
GEN　そんで、最初横浜F.A.Dで一緒にやったんですけど、そん時は全然入らなかったんですよ。おばちゃんファンばっかりでねぇ、もう。
──ああ〜(笑)
アツシ　「スカって何？」っていうような人たちばっかりだったから(笑)
──でも、今やGELUGUGUもニューロティカも、お互いのファンがそれぞれ認知してるって感じなんじゃないですか。
GEN　だから今はかなりかぶってるんとちゃいますかね、お客さんは。
アツシ　大阪でやるといつも800とか900とか入るからね！　で、いつも東京でやると500くらいなんで、いいのかなオレらって思っちゃうんですけど。
GEN　あんまり大きな所でやろうとしないんですよね、あっちゃんは。
アツシ　やっぱオレらは大きいところ行かないと思う。ロフト止まりにしておくよ(笑)。カタルには「それじゃだめなんだよ！　あっちゃん」って言われるけど……。

──この二バンドってジャンルは違うんですけど、醸し出す雰囲気というか、そういうものにすごい共通 点がある感じしますよね。
GEN　そうですね。ステージでニコニコしてるという点では同じだと思いますね。 アツシ　まあジャンルは違うんだけど、両方ともすごく聴きやすい音楽だし。ボクが伝えなくちゃいけない日本のロックの基本みたいなものを持ってるんですよね。
──それはやっぱり、エンターテインメント性の高さとか、そういう部分ですかね。
アツシ　……う〜ん。それに関して最近へこんだことがあったんだけど。この間、劇団四季の「CATS」を観たのね(注：本当は「誰でもピカソ」で観ただけらしいです)、エンターテインメントっていう部分じゃあ、アレには本当かなわないよ〜。ホント、全てがすごい徹底してるんだもん。さすが、あれだけで食えてるだけはあるよ！　オレたちもロックだけでメシが食えればな〜、もっと色んな事をやれるのに。でもまあ、悔しいって言っててもしょうがないから、もっともっと勉強して、もっともっと練習しないと。
──ライバルは劇団四季！
アツシ　そうだね〜。……ホントスゴイんだよ、練習法とか。
GEN　でも、なかなかそこまで練習する時間ってないですからね、細かい事まで出来ないですよ。だからウチらはかなり大ざっぱなんですよ、打ち合わせとかも。
アツシ　どっちが先出る？　とか当日決めてるからね(笑)。だから、次からはちょっと厳しく決めたいと思う。……って、厳しく決めてるんだけど、いつもオレ間違えちゃうんだよね、本番で。 GEN　もうベテランなんやから、バンッて仕切ってくれたらいいのに、「どうしようどうしよう」っていちいち相談してくるんですよ。決めて下さいよ勝手にって感じなんですけどね(笑)
アツシ　毎日電話してるもんね。
GEN　ホント毎日電話かメールしてますからね(笑)
──朝起きると「おはよう」ってメールが入ってるみたいな。
GEN　そんなノリですよ、もう。
──まあニューロティカはすごい長い間活動してて、最近では色んな若手のバンドともいっぱいやってますけど、その中でもGELUGUGUとの関係性って特別 なものがあるんじゃないですか。
GEN　あんまり一緒にアホやってくれる先輩っていなかったんで。い〜い先輩つかまえましたよ、ホンマに。
アツシ　まあ、一緒にやってて楽しくて面白くてタマラナイからね。本当になんだかんだで毎月一緒にやってるからね。
GEN　GELUGUGUはホントにみんな、今のニューロティカの大ファンなんで、お金とかそういうことじゃなくって、ただ単に一緒にやりたいっていう気持ちだけですよね。もう、タダで観れてサイコーっていう感じだから
アツシ　それはでも、こっちも同じだよ。
GEN　面白いっすよ〜、楽屋のあっちゃん。
アツシ　ライブ前にすごい持ち上げてくれるから、こっちもポンポン飛ばしちゃうんだけど、楽屋でしゃべり過ぎちゃって、ライブで同じ事言うと全然ダメなんだよね。……もう楽屋でしゃべんないようにしようかと思ってるんだけど(笑)

──で、そんな二バンドがまたスプリットを出すわけですが。
アツシ　まず、タイトルにもなってる「カスタネットを鳴らそうぜ」っていう曲を二バンド合同でやって、それから「XL MAN」っていう同じタイトルで違う曲をそれぞれ「大阪編」と「東京編」ってことでやって、あとは昔の曲のセルフカバーが一曲づつ入って全部で五曲ですね。
GEN　で、さらに「カスタネットを鳴らそうぜ」のカラオケが入ってて、カラオケのケツにボーナストラック(「A.I カンパニー社歌」)まで入ってますよ。
──カラオケ入ってるって(笑)
アツシ　基本的にみんなで歌ってもらいたいですからね。
GEN　ライバル劇団四季ですから。どうしてもカラオケだけは入れとかんと。
──四季とカラオケはあんま関係ないと思いますけどね〜(笑)。合同でやってる「カスタネットを鳴らそうぜ」はどんな感じで作ったんですか。
アツシ　オレがGENちゃんに箇条書きで歌詞をFAXで送って、それに曲をつけてもらったんだけど。GELUGUGUとニューロティカが出会った時から維持してる気持ちを詞に出来たかなと思いますね。……まあちょっとクサかったかな〜？
──
アツシ　12曲入りCDをプレゼントしますんで、是非来て下さい！　レコ発ライブでCDあげるちゃうって、こんな面 白いことないじゃない。まあ、これも打ち上げで決まったんだけど、じゃあ二バンド全員が一曲づつアカペラで好きな曲を歌った12曲入りのCDをレコ発で配ろうって考えて。アカペラでAC/DC歌い続けるとか、色んなのを考えたんだけど、JASRACからクレームが来ちゃって(笑)
──そりゃそうでしょう！
アツシ　しょうがないから「じゃあ、オリジナル作っちゃいましょうよ」ってことで、レコ発では12人分のオリジナルが入ったCDをプレゼントしちゃいます！。
──そのためだけに、そんなもん作っちゃうんですか(笑)
GEN　みんな一斉にソロデビューですよ。
──それもみんなアカペラなんですか。
アツシ　イヤ、みんな好き勝手にやってるね。ギター弾く人もいるし、ピアノ弾く人もいるし、打ち込みの人もいるし。オレはダウンタウンの松ちゃんみたいな感じで……。
──延々歌ってるみたいな。……ホントに打ち上げの席のイキオイで決まった感じの企画ですね。
アツシ　全てが打ち上げの席で決まっちゃうからね。いっき出来なかったヤツが次のライブで前説するとか、それもやったねぇ〜。やっぱ他のバンドが出来ないような面 白い事をやらないとね。
GEN　あと、今度どこか、二バンドでライブやった次の日にシークレットライブやろうっていう話が出てて。リハ終わってからみんなで二時間くらい飲んでベロベロでライブやるんですよ。
アツシ　突然やりますんで、ライブのMCは注意しておいて下さい。ただしメンバーは泥酔ですんでどうなるかわかんないですけど(笑)。それもまた打ち上げで決まったんだけど、その時GENちゃんに「まだ見せた事がないですけど、オレの本当の姿を見せますよ」言われたんだよね〜。やだな〜。
GEN　もう演奏できるかできないかわかんないからね。
アツシ　メイクとかちょっと曲がっちゃってたりね(笑)

──それじゃ最後に言い残したことがありましたら。
GEN　「カスタネットを鳴らそうぜ」の中で、本当にカスタネットを鳴らすところがあるんですけど、そのカスタネットを楽器屋さんで買わないように！
アツシ　ちゃんと物販で売りますんで、そこで買って下さい！　ライブでちゃんとチェックするからね。

GELUGUGU　　ニューロティカ カスタネットを鳴らそうぜ！ 2003.6.4 OUT

●ライブ

GELUGUGU0727-62-9988／ニューロティカ 03-3397-1538