お遍路やってるおじさんには負けられないぞ
──4月の野音で、ひと段落かと思っていたところに早々と。
そうですね、ちょうど平野さんもお遍路に旅立っているようなんで(ルーフトップ6月号参照)、おじさ
んに負けてられないぞって。早速何か出そうということで、スプリットを作ってみました。
──またスプリットになったのは?
これね、スカイメイツにウエチアツヨシというリーダーであり、ドラマーであり、ヴォーカリストがいる
んですけど、僕は常にウエチのキャラには注目してたんですよ。スカイメイツと対バンした3年前に
やつらのステージをみた時、最初の何曲かはウエチがドラムを叩いているんですけど、何曲か終
わるとおもむろに前に来て歌い始めたんですよ。しかもガッチャガッチャ、とか歌とも合いの手とも
シャウトともつかない、なんか不思議な歌を歌い始めて(笑)。パーカッションやってた女の子がい
きなりドラムに座ってその子がドラムを始めたら、その子の方がドラムが上手いんですね。“こいつ
の存在意義はなんだろう?”ってずっと気になっててですね、そこからずっとスカイメイツのファンだ
ったんですけども。ちょうど去年の暮れ、東京に遊びに来てたんで “そのガッチャガッチャ言ってる
パワーがもったいない、もっと多くの人に見せなきゃいかん!”と説教を始めたらですね、“じゃあ
責任を取ってくれ”ということで、スプリットを。だから出来ちゃった結婚みたいな。
──あぁ、流行の出来ちゃった結婚で。
窪塚くんか俺かくらいの勢いで。(プラスワンスケジュールを見て)しかし、納涼うんこ祭りはないで
すよね。ロフトプラスワンとはいえ。何やるんだろう?あん中で脱糞しちゃうんですか?
──たぶん。
あっぶねー。やっぱロフトプラスワンだけはかないませんよね、下ネタ大好きビートクルセイダーズ
としては。だって月の半分はエロイベントじゃないですか。 ──ビークルさんもロフトークとか出てみないですか?プラスワンの横山とルーフトップの椎名が
やっているトークイベントなんですけど。メンバーメインで話をしたりとか。
でも、モテなそうじゃないですか、それ。
──……。で、とりあえずこのスプリットなんですが、原宿、新宿、嘉手納でのレコーディングなん
ですね。どういった感じで録られたんですか?
東京と沖縄って距離はものすごくあるので、気軽に作ろう録ろうとはいかないんですよ。最初は俺
がデモを録って沖縄に送って、沖縄でそれをみんなでいじったりリハしたりして、それをまた録って
返してきてみたいな、往復書簡。もう武者小路実篤と芥川龍之介の文通ばりの、文学史上重要な
往復書簡みたいな感じで我々もやってたんですけど。今なら “データで送るよ!”みたいな、そう
いうのがかっこいいんだろうけど、俺もウエチもパソコンを持っていないんで(笑)。だから、そうや
ってアナログな作業をずっとしてて、それで結局録る場所がいろいろバラバラなんですけど。
──じゃ、パズル状態なんですね。そういった録られ方ってよくあることなんですか?
いや、初めてでしたね。 前にスプリット出した時は、みんな東京だから普通
にリハもして一緒に録り ましたから。なんか新しい感じでしたね。ま、納涼うんこ祭りくらいの新しさがあったんじゃないか
と。
──私、下ネタ得意じゃなんで、あんまり上手く返せなくて申し訳ないんですけど。
セックス。
──……。沖縄にも行かれたと思うんですけど、そんな話も。
沖縄は結局その3ヶ所のうちの最後に行ったんですよ。最初は東京に彼らを呼んで。表参道にあ
るすごい高いスタジオしか空いてなくて、そこでやったんですけど、彼らは常にサンダルなんです
よ、沖縄の人だから。録ったのは寒い時期だったのに、いきなり裏原宿にサンダルで現れてすご
いインパクト放ってて。“東京はおそろしかとこばい”、とは言ってないけど(笑)、田舎モノ感丸出し
でしたね。逆に沖縄で録った時は水を得た魚のように、生き生きとしてて。生き生きし過ぎてスタジ
オ2時間遅刻とか当たり前でしたからね。ハメはずしすぎな感じですよ。
──あはは。でもリラックスしてる感じはしますよね。ビークルさんは沖縄は楽しめたんですか?
スタジオに缶詰だったんですよ。で、最後に「BABYFACE」のPV撮影でずっと外にいて、その一日
で真っ黒になったという。でもレコーディングスタジオは歌入れするブースの窓から外を見ると浜辺
が広がっていて、歌うどころじゃないっていうか。なんか天国で録っていうような感じでしたよ。いい
環境でした。
──その空気感もあってか、1曲目の「BABYFACE」とか一度聴いて耳に残るっていうか。
覚えちゃいましたか。大事ですよね、そういうキャッチーさっていうのは。
──で、その他も様々な楽曲が入っていますが、トータルでテーマとかはあったんですか?
うん、だからパズルみたいなもんで、例えばポメラニアンのパズルを作ろうって始めたのに、出来
上がってみたらチワワになったりブルドッグになったり。最終的にはまた全然違っちゃったんです
けど、最初に思い描いていた像は多分ビークルもスカイメイツもそれぞれあって、そこに頑張って
寄せていこうと。やっぱバンド同士でも共通言語がまず違うんですよね。例えばスタジオでの専門
用語とかあるじゃないですか、そういうのはスカイメイツはわかんない。でも彼らはオーセンティッ
クなスカとか好きだから、シンコペンションみたいなことは良く知ってて。逆にうちのarakiが“シンコ
ペンションってなんすか?”みたいな(笑)。最初はすれ違い探りあいが続いていたんですけど、や
っていくうちに段々絵が見えてきた……っていうとかっこいいですよね、なんか。
──(笑)。スカイメイツはスカじゃないですか。音作りでイメージの違いとかはなかったんですか?
それも、ないです。違っちゃって、むしろよし!みたいな。6曲目の「13RONDO」っていう曲は最初
YMOみたいなのを作って送ったんですよ。そしたらいきなり3拍子になって帰ってきたんですよね。
それは逆に新しいなって。その時点で俺の理想に興味はないので。俺の作った曲がベストじゃな
いし、もっと上のベストがあるよって提示してくれば、全然そっちの方がいいし。だから全然苦労が
ないんですよね、そういう意味では。向こう側にもそういうことはあったでしょうけど。こっちですご
いいじって変わっちゃって。
──全体的に楽曲のメイン部分はhidakaさんから送っているんですか?
いや、そんなことはないです。半々くらいですね。スカイメイツがメインで作ったのは、2曲目の
「PARTY NIGHT'S BOOGEI-WOOGIE TRAIN」と6曲目の「ROCK導入」。これをこっちでいじって、
サビを付け足したりとか。
──じゃほんとに半々で出来てる感じなんですね。
スカイメイツに「俺がサビつけてみたけど、どう?」って言ったら「全然、最高!」みたいな感じで言
ってくれたんでありがたかったんですけど(笑)。
──おもしろいですね。
結構新しいんじゃないかと。こんなに共作曲が多いのも初めてじゃないですか?今までマックス2
曲くらいで、あとは単体のが何曲かずつ入っているみたいな。
──3曲目の「BELINDA」がビークル、4曲目の「バイバイバイキング」がスカイメイツと単体の曲
が一曲ずつ。バランスもいい感じですね。で、7曲目が「出鱈目同志的賛歌〜校歌編〜」。これ、なんで校歌だったんですか?
これは完全一発録りの曲を作ろうと。みんなでスタジオに入って一発で録ったんですけど。事前に
東京と沖縄に離れていても作れる曲を用意しようって時に、テーマがあった方がいいじゃない?っ
て。で、校歌にしようと。一発録りの美学ですよ。
──で、スプリットのツアーもあると思うんですけど。結構回りますね。
でもうちは少ない方ですよ。青春系の人たちは4、50ヶ所回るじゃないですか。もうそこまでの若さ
がないので、地味にまわらせてもらいます。東京は7月19日にロフトでお世話になるんで。この日
は普通にレギュラータイムをやった後、オールナイトもあるんですよ。そのままみんな残ってくれる
と面白いと思いますよ。
──オールナイトでは何をやられるんでしょう?
一応ね、スカイメイツとビークル共通の友達バンドをいくつか呼ぶのと、共作曲はもちろん(レギュ
ラータイムの)ライブでやるんですけど、そうじゃなくてスカイメイツ、ビートクルセイダーズ合同でな
んか企画バンドをやってみようかと思っています。それは詳細はまだ秘密ですけど。っていうか、
まだ決まってないんでこれから考えます。多分ファンキーなやつをやると思いますんで。ガッチャガ
ッチャが好きな人はぜひ。
──、じゃ、きっとウエチさんが全面に出てくるんだろうなぁ。
ガッチャガッチャって、清志郎のようにね(笑)。
●ウエチ氏コメント
<沖縄在住のウエチ氏による愛のコメントも到着!>
スプリットについての感想をお願いします!
「長いようで 短かった!!どんな作品になるかハラハラしてました。それがいい感じにハラハラで
きる作品に仕上がったと思います。」
制作時のエピソードなどをお聞かせください。秘話、大歓迎!です。
「ビークルと毎日が殴り合いのケンカで、こちらの女性陣がなかなかのツワモノで…!分はこちら
にありました。そんなこんなで、1つのバンドで曲を作る感じと少し違って、2つのバンドで作るのは
楽しい事も、意見が伝わりにくいことも…などなど…(これはほとんどなかった)それらが新鮮に感
じれました」
こちらがhidakaさんから、スカイメイツさんに宛てられた“愛の言葉”です。
スカイメイツさんからもBEAT CRUSADERSさんに“愛の言葉”を送ってください。
【from BEAT CRUSADERS:hidaka】
「愛の言葉ね。あんまりほめる点はあんまりないんだけど……いや、ウソです。最初に見た衝撃が
未だにある。ドラマーが歌うって言うのはありますよね、C-C-Bとかイーグルスとか。古いな(笑)。
でも、ドラマーが前に出てきて歌うっていうのは衝撃的だったので、そのスタイルは永遠にやってく
れと。あと、ホーン隊はあのー、女性メンバーが6人いるんで軽いセクハラとして、「やっぱり結婚
できないと思うけど頑張ってくれ」と。レズビアンの道もあるぞと」
【from SKM:アツヨシ】
「 「愛してる!!」を女性陣からの伝言です……ウソです!!ボロクソに言ってましたよ〜ヒダカ氏の
事(予想つくんじゃないんですかね〜…オヤジに対してのセクハラな言葉など)。とっですね、ふっ
といて……ビートクルセイダーズを初めて聴いた時、お客(ファン)の立場でした。「かっちょいい〜
〜!」 衝撃的でした。──で、 すぐ対バンさせてもらって……絶望、なんじゃこりゃ?!ウソです。
ライブも非常にかっこ良く……もうこのくらいで お世辞は 止めておきます。今回
いろいろな経験 をさせてもらって ありがとうございます」
その他言い残したあれこれをどうぞ!
「ツアー非常に楽しみにしてます。 準備万端にして頑張りますんで…皆さん!是非
遊びに来て下さ〜い!!」
●リリース情報
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BEAT CRUSADERS & スカイメイツ
「OZZY!!」
LASTRUM CORPORATION
LACD-0056
1,600yen(tax out)
OUTNOW
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●Live info.
BEAT CRUSADERS&スカイメイツSPLIT TOUR
2003年7月19日(土) 新宿ロフト
OPEN 18:30/START 19:00 YEN 2500/3000(1DRINK代別\500)
SOLD OUT!!
「OZZY!! NIGHT」
2003年7月19日(土) 新宿ロフトBARステージ
OPEN/START 24:00〜(all night) YEN 1500(1DRINK代別\500)
LIVE : HU'S(hidaka,uechi,kozue,a-chang,,andmore)/2軍バンド改めブラジル銀行(umu,kiyoshi,and
more)/JOY RIDE and more...
DJ : thai,araki,rui,DJ しもきち
ぴあ、LOFT店頭にてチケット発売中
7.8(月) 名古屋クラブクアトロ
7.9(火) 十三ファンダンゴ
7.11(金) 博多ビブレホール
7.12(土) 広島クラブクアトロ
7.14(月) 熊谷ヴォ−グ
7.16(水) 宇都宮ヴォ−グ
7.17(木) 千葉ルック
7.18(金) 横浜クラブ24
7.21(月) 沖縄ヒューマンステージ
【問合せ】LASTRUM:03-3404-1261
【BEAT CRUSADERS official homepage】 http://www.lastrum.co.jp/Music/bcru.html
【SKAYMATE'S official homepage】 http://www.highwave.co.jp/skm/skmtop.htm
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