メレンゲと出会って早2年。その間に色々なことがありました。振り返れば、昨年インディーズ・レーベル“SONG-CRUX”で彼らと過ごした激動の1年は、今のメレンゲの基盤を作ったと言っても過言ではありません。そんな1年があったからこそ訊けた話をみなさんにも聞いてもらいたいなと思います。(interview:Hiroko
Higuchi)
インディーズ時代の曲をメジャーで出すことに意味があった
──『Rooftop』読者の皆さんに自己紹介をお願いします。
クボ「ヴォーカル&ギターのクボです」
ヤマザキ「ドラムのヤマザキです。Rooftopにはお世話になっています」
タケシタ「ベースのタケシタです」
──最近どうですか? 近況を教えて下さい。
クボ「最近は、ある意味忙しくさせてもらっています」
──同じようなことを訊かれていると思いますが、Rooftopはゆるくいきますよ(笑)。今回メレンゲのインタビューをさせてもらうにあたって、クボくんが一人で活動していた頃のインタビューを引っ張り出してきて、読み返してきました。
クボ「僕もその頃の読みたいなぁ〜」
──その頃のものを読むと、インタビュー一つにしろ凄い成長したなぁと今改めて思います。
クボ「(笑)」
──で、同時に新宿ロフトに出演し始めた頃のことを思い出してしまったの。初めてロフトのメイン・ステージの方に出演したイヴェントは『Get
a chance!』だったよね? その頃の印象を語ってもらいたいです。
クボ「まずロフトって、地方に住んでいても知ってる名前だから、やっぱり畏れ多いものがあったよね。ステージに立つのに責任感が必要というか…」
──初めてメイン・ステージに出演した時は緊張した?
クボ「もちろん。とにかく、いいライヴしなきゃとか、そういったプレッシャーはあったよね」
──そして、ツヨシくんが加入してからの初めての新宿ロフトは昨年の『おとそライヴ03』だったね!
タケシタ「確かこの日は、シェルターとロフトのダブルブッキングの日だったんですよ」
──加入していきなり新宿ロフト、下北沢シェルターでライヴをした時の心境はどんなものだった?
タケシタ「シェルターに関しては全く覚えてない(笑)。もうね、すっごく緊張していてガチガチだったんですよ。そのシェルターの緊張感があったからこそ、初めてロフトに出演した時のことは覚えているんですけど。今だと考えられないくらい、下手でしたね…(笑)」
──でもさ、まだ1年半くらい前のことじゃない? そういう話を聞くと、随分昔の話のような気がするよ。
クボ「昨年は、活動がある意味濃かったからね」
ヤマザキ「色々とあったしね」
──本当濃かったよ。それくらい、濃密にインディーズ時代は一緒に駆け抜けてきたよね。そんな濃かった1年間を振り返ってみたら、ライヴ活動をたくさんやってたことに気がつきました(笑)。
全員「(笑)」
──でもね、今回リリースする『サーチライト』はあのライヴの場数があったからこそ出来た1枚なんじゃないかと凄く思います。
ヤマザキ「そうですね」
タケシタ「それは自分達でもよく判ることだよね」
──たくさんある昔の曲の中から、〈春雨の午後〉〈輝く蛍の輪〉〈初恋のオマケ〉をなぜ収録したの?
クボ「〈初恋のオマケ〉に関しては、前録音していた時よりもライヴでやっていくうちに成長していった曲だったり、〈輝く蛍の輪〉は自分らの音が固まった象徴でもあるし、〈春雨の午後〉はライヴであまり演奏していなかったけど、家で聴くには良い感じの、実験的なこともしてみたいなぁと思い、アレンジを大幅に変えてみたりしました。収録曲に関してはすんなり決まったんですよね」
──新作をリリースするにあたって、旧譜からレコーディングし直して収録されるという話を聞いた時に、何の曲が入るんだろうか…と一人ワクワクしていました。でも、仕上がりを聴いた時に、期待を裏切らずに予想を見事裏切ってくれたので、何だか嬉しかったです。
クボ「今回はメジャーであるけど、インディーズでやってきた楽曲もメジャーで通
用しないとか全然思っていなかったし。インディーズからメジャーへ行っても、姿勢は何も変わらないっていうのもあったし。インディーズ時代の楽曲をメジャーで出すということは、自分らにとってもの凄く意味のあることだったんです」
“その場にいられることの幸せ”をライヴで共有できたら
──今回の『サーチライト』をレコーディングした時はどんな感じだったの?
覚えてる?
クボ「楽しかったです。本当にノリで作れたというか、迷いがなかったです」
──インディーズ時代とはまた違う環境のスタジオであったり、プロデューサーがついたりとかしたよね。
タケシタ「プロデューサーは僕らを最優先してくれたよね。それが大きかった」
──メジャー・デビューを控えた、今の心境はどんな感じですか?(4月現在)
クボ「インディーズの時からメジャーで活動しているバンドさんとは対バンしてきたから、別
に夢の世界の話とは思っていないですよ」
ヤマザキ「今までと同じようなスタンスで、音楽に関しては向き合いたいなぁと思います」
タケシタ「音楽にかけられる時間がより多く出来ると思っています。だからこそ、もっと良いものを作っていきたいなぁって思っていますね」
ヤマザキ「いろんな人が関わってくれるからこそ、自分達は自分達の音楽に責任を持って、自分達のバンドだっていう意識を持って臨めるようになったっていうのはありますよね」
──インディーズ時代に出した旧譜を聴いていると、やっぱり今回の作品はよりバンド感が強くなったなぁって思いました。だからこそ、次回の作品はどんなものになるんだろう…って早くも楽しみなんだよね。
タケシタ「僕らも楽しみですよ」 クボ「次はね、もっと濃いことやりたいです。バンド感だけじゃない、濃いものをやりたいです」
ヤマザキ「3人のメンバーはみんな、それぞれ独立したアーティストであって、その独立した3個の色が集まったらバンド感を超えたものになると思うんですよね。そういう作品をガンガンあげていきたいなぁと」
──メジャーから作品をリリースするにあたって、ライヴをする時の心境とか変わったりした?
ヤマザキ「最近はもっと追求した演奏をしたいと思うようになりましたね。1曲1曲の個性だったり、空気ってあったりするじゃないですか?
それを最大限にライヴで表現したいなぁと思うようになりましたね。後は細かいことを気にしなくなりました」
タケシタ「前はキッチリキッチリとやろうとしていたけど、今やっていることってそれがなければ絶対に出来なかったことだったりするから、それをやってきたことによって1個上に進めたのではないのかなと」
──というか、ツヨシ君は喋れるようになったね(笑)。成長したな。
クボ「俺も思った(笑)」
タケシタ「最近、僕は喋っていますよ(笑)。やっぱり、多少なりとも自信が持てたというのが大きい」
ヤマザキ「それはね、普通に音にも出ているよ」
──また、今月は『サーチライト』レコ発記念ライヴがありますね。どんなライヴにしたいですか?
タケシタ「昔好きだったミュージシャンと一緒に共演出来るなんて、夢のような話で。僕らは今、やっとそういうところまでやって来れた幸せを噛み締めて、その幸せを伝えられるようなライヴをやりたいなぁと思っています」
──昨年のメレンゲ企画には、HARCO、ダブルオー・テレサ、つばき、ランクヘッドと、自分らがその時に共演してみたいと思ったアーティストさんと共演出来てきたし、毎回好評だから、今回もたくさんの人が遊びに来てくれると良いよね。
クボ「僕らが伝えたい音楽の景色とか、そういうのをもっとライヴでは見せられるようにしたいなぁと思います」
──そして、段々ロフトのステージに慣れてきたメレンゲを見てみたいです。
クボ「ロフトのステージって自分達の生かし方みたいなものってあるよね。普段やっているような小屋とはまた違ったライヴを見せられる感じがあるから、それがまた面
白かったりするよね」
──今回のレコ発は『サーチライト』に収録されている曲はもちろんのこと、新曲も聴けたり出来るのかしら?
クボ「そうですね。必見です。お客さんとも良い感じでコミュニケーションを取れるようなライヴになればいいね」
ヤマザキ「ライヴが点にならなければ良いなって思う」
クボ「そう。ライヴ自体が物語で、ドンドン変わっていくメレンゲのストーリーを追ってきて欲しいなぁと強く思います」
ヤマザキ「凄く大袈裟な話ではあるけど、“その場にいられること自体が幸せ”みたいな感じを、お客さんとライヴで共有することが出来たら音楽家としては幸せなことだなぁと思います」
クボ「自分らも幸せだなぁと(笑)」
──私達ロフトはね、過去に有名なアーティストがここから巣立っていったように、メレンゲもそうなってくれたら良いなぁって思っているので、これからもロフトの市松模様のステージで暴れて下さいね。来月号のインタビューも宜しくお願いしますね。
全員「はい」
*次号は、今後のメレンゲの野望について訊いてみたいと思います。
★Release
info.
|
サーチライト
WARNER MUSIC JAPAN/ORGANON
WPCL-10091 1,575yen (tax in)
2004.5.12 IN STORES
|
★Live
info.
<初恋サンセット vol.3『サ−チライト』発売記念ライブ>
2004年5月26日(水)新宿LOFT
メレンゲ
ゲスト:知久寿焼 / etc...
OPEN 18:00 / START 19:00
PRICE: advance-2,500yen / door-未定(共にDRINK代別)
【info.】shinjuku LOFT 03-5272-0382
<スペースシャワー列伝 第三十八巻 〜爽風 (そよかぜ)
の宴〜>
2004年5月19日(水)新宿LOFT
メレンゲ / 残像カフェ / ダブルオー・テレサ / ベベチオ
OPEN 18:00 / START 19:00
PRICE: advance-3,000yen / door-3,500yen(共にDRINK代別)
【info.】FLIP SIDE 03-3470-9999
|