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  息も白い冬枯れの景色に紅色八重咲きの花を平開させる寒椿。花色の紅を冬の力として蓄え、その能力を高めてきた寒椿はこの凍てつく季節に力量 を充分に発揮して色鮮やかに咲き誇る。それまではただひたすらに堪え忍ぶのだ。
 増子直純(vo)、上原子友康(g)、清水泰而(b)、坂詰克彦(ds)の4人から成る怒髪天もまた、そんな寒椿同様“耐えて咲かせる華”である。結成から20年、今のメンバーになって16年、クラウンから出たメジャー・アルバムから13年、そしてあの劇的な活動再開から5年。寂寞として痩せた荒野で愚直なまでに種を蒔き、堅実に畑を耕し続けてきたひとつの結果 が、メジャー復帰作『握拳と寒椿』として今回ようやく実を結んだ。この問答無用の充実作を携え、彼らが大輪の華を咲かせる日はそう遠くはないだろう。男樹に咲き乱れる男花の萌芽はまさにこれからであり、怒髪天と彼らを追い掛ける我々ファンの想いはただひとつ、「俺達の旅はまだ終わらねェ!」のである。(interview:椎名宗之

信頼できる仲間が一番大事
──何はともあれ、メジャー復帰おめでとうございます。
増子「ありがとう。まぁ、またメジャーでやるって言っても、これまでやってきたことと地続きだからね。勿論、有り難いことではあるけど、単純にイイ歌を作ってイイライヴをやり続けること自体は以前と何ら変わってないから」
──このタイミングでのメジャー移籍の意図するところは?
増子「クラウン盤(1991年8月発表の『怒髪天』)のディレクターだったTさんが、もう何年も前から声を掛けてくれてて、“じゃあやろうか!”っていう」
清水「そう、命懸けのアプローチをしてきてくれたTさんが一言、“お待たせしました!”って言ってくれて」
──他のレコード会社からの誘いもこれまで多々あったと思いますけど。
増子「うん。メジャーだからどこでもやるっていうわけじゃなくて、あくまでテイチクだから、その担当がTさんだからっていうのが大きい。音楽を続ける上で何が一番大事かってことを、俺達は今までずっと見極めてきたからね。それは何かって言えば、やっぱり“信頼できる仲間”なんだよ。そんな仲間達と一緒にやっていくのが一番大事だと」
──今回発表された『握拳と寒椿』は、いわばバンドとスタッフが一丸となって果 たす13年越しのリヴェンジという向きもありますが、そんなドラマ人間模様を抜きにしても、また凄まじくいいアルバムに仕上がりましたね。
増子「絶対イイよ! 良くないわけないもん。“良くないものは作らん!”って堂々と言えるようになったよ」
上原子「うん。今回はジャケットも含めて、凄く納得のできる入魂の一枚になったと思うね」
増子「俺の中では前作『リズム&ビートニク』(2004年5月発表)からの三部作として考えているんだけど、季節感というものを織り交ぜようとしてるんだよね。東京へ出てきてから何年も経って、今やっと街の中で季節を感じることができるようになったのかなって思う。北海道から出てきた俺達にとっては、雪も余り降らない東京の冬はちっとも冬らしく感じられなかったんだけど、東京の冬も四季の中のひとつとしてやっと実感できるようになったからね」
──サウンドの質感も微妙に変化してますよね。1曲目の「悪の華」ならぬ 「男ノ華」から今まで以上に躍動的かつ肉感的なサウンドが全開で、グイグイと全体を引っ張っていくような…。
増子「それはホラ、ねェ坂さん?」
坂詰「(料理と酒に夢中)え? …ああ、サウンドが、全体的に…そうですね。全体的にみんな成長してる、みたいな」
増子「まーたオザナリなこと言って(笑)。やっぱりね、ドラムの音が全然違うからだと思うよ。坂さんが実は今回初めてドラムセットを買って。ねェ?」
坂詰「最初はシモンズ(六角形のエレクトロニック・ドラムス)を買おうと思いまして…。そんなに力を込めなくてもイイですから」
増子「そんなちょっとの力を節約してもしょうがないから(笑)。坂さんがドラム叩くのに力込めたくないって全国の誰もが判ってるし(笑)」
──レコーディング現場監督の友康さんとしてはどうですか?
上原子「確かにドラムが変わったのは大きいね。1曲ごとにドラム・チューンを変えたりして凄くこだわったし、その結果 ドラムの存在感がかなり際立って、説得力のある音になったと思う。今まではギター・ダビングをすることによってドラムの音を埋もらせてた部分があったから、極力ダビングは控えるようにもしたしね。だから音の質感が変わってきたって言われるのはよく判る」
増子「全体のバランスが、自分達の意図するところにだいぶ絞れてきた感じはするね。俺達にしかできない音っていうのがやっぱりあって、それがよりできるようになってきたんだよ。『リズム&ビートニク』はシミの弾くフレーズが全体を引っ張っていく“ベースのアルバム”だったけど、今度のはよりバンドとしてのまとまりができてきた」
清水「今回はドラムの音が変わって、どうやったらドラムの音と馴染むベースの音になるかを一番神経使ったね。いつもは割と各パートが好き勝手な音を出すという感じだったけど、今度のはドラムの音がまずあって、そこに全部を合わせた。だからよりバンド感みたいなものが出てると思う。(坂詰に)ね?」
坂詰「(相変わらず料理と酒に夢中)……そうですね」
増子「坂さん、シミの話を肴に呑んでるだけだからね(笑)。でもまさか坂さんがラディックのビスタライト(透明アクリル・シェルのドラムセット)でくるとは思わなかったよね」
坂詰「(箸を止めて)……うん」
清水「“うん”で終わりだ(笑)」

人生、喜劇でイイじゃねェか
──それにしても、『リズム&ビートニク』から僅か半年でよくこれだけ高水準の曲を生み出せるなとお世辞抜きで感心してしまうんですけれど。
増子「まぁ、言ってみれば霊界と繋がってるからね(笑)。曲を書くのも自動書記だから(笑)。その“降りてくる”スパンが短くなってはきてるね。生みの苦しみは毎回あるけど、そのモードにいつでも入れるようにはなってるよ」
上原子「『リズム&ビートニク』の時は前のツアーが終わってすぐに曲を書き下ろさないといけなくて、自分でも“この短期間でできるのかな?”と思ってたけど、何とかやれたんだよね。今はそういう短いスパンにも慣れたし、特に“レコーディングだから…”ってヘンに気負わずに曲作りができる環境にはあるよね」
増子「そう、いつでも曲作りのギアに入れられる状況にあるからね。友康も俺も、日常の中でふとした時に感じることを曲の主題にまで持っていけるように常に考えてるよ。だからイイものができないわけがない。例えば、回転寿司屋に行ったとする。そこで有線からJ-POPやら何やらが流れて来る。自分の隣の席で家族連れが先に寿司をガンガン取っちゃって、自分のところへはちっとも回ってこない。そればかりに気を取られて、流れて来るBGMは耳にさっぱり残らない。そんな曲を書いてちゃダメなんだよ。隣の家族連れから関心を向かせるような曲じゃないと」
──仮にパチンコ屋のような騒がしい場所で「愛の嵐」が流れたら、“何だコレ!?”って客の気を引かせるだけの威力は間違いなくあるでしょうね。
増子「うん、自信あるね! ただ、曲を掛けた店員はクビになるかもしれないけどね(笑)」
──今回、その「愛の嵐」を“風速2004メートル”ヴァージョンとして再録したのはどんな理由で?
増子「再録自体は前からやってみたかったんだよ。ただ、今までやるタイミングがなかなかなかった。たまたま今回、『愛の嵐』の再録と『一番星ブルース』のカヴァーのリクエストをT氏から受けて“やってみるか!”と」
──『如月ニーチェ』(2001年2月発表)収録のオリジナルとアレンジに大幅な変化はありませんけど、これは意識的に?
上原子「うん。アレンジ自体はオリジナルを録った時点で4人が完全に詰めた状態にしてるわけで、今回新たにアレンジを変えなきゃいけないっていう必然性を感じなかった。曲自体はすでに完成されたものだからね。でも今度のほうが勢いや説得力があって断然にイイね」
増子「そう、断然にイイよ! なぜなら俺達が成長してるから。人間力で鳴らしてるからね。歌詞を書いた時点から心情の変化なんてものは余りないんだよ、俺は。別 に大金持ちになったわけじゃないし、アフリカ人になったわけでもないしさ(笑)」
──なったらそれはそれで大変ですけど(笑)。しかし『トラック野郎』主題歌の「一番星ブルース」はバッチリハマりましたね。原曲を知らない若い世代が怒髪天のオリジナルと見紛うんじゃないかと思うくらいに。
増子「うん。元々『トラック野郎』は大好きな映画だし、この曲はいつもDJで掛けてたし、カラオケでも唄ってた。とにかく俺達のカヴァーは友康のアレンジが抜群にイイよ」
上原子「俺は『トラック野郎』をそれまで観たことがなくて、昨日初めてビデオで観た(笑)。この歌自体も、シミがカラオケで唄ってるのを聴いて覚えたんだよね。でも曲の先入観がなかったからこそ逆に良かったっちゅうか、ああいう大胆なアレンジでやることができた。その頃、個人的にアダム・アントにハマってて、何かの曲でああいうジャングル・ビートみたいなことをやってみたかったんだよね。セッションで割とすんなり行って、出来上がるまでの時間は凄い早かったね」
──7月にロフトで行われた『ザ・ルースターズ ラストライブ前夜祭 〜RESPECTABLE SHOW〜』でも、「FOOL FOR YOU」や「風の中に消えた」を完全に血肉化するバンドのアクみたいなものが核としてあるんだと改めて思い知らされましたね。
増子「今でこそそんなアクがイイって褒めてくれる人も増えたけど、それが困る時期もあったんだから(笑)。昔はライヴで洋モノのカヴァーも結構やったんだよ。CCRの『Suzie Q』とかキンクスの『You Really Got Me』とかね。歌詞を覚えられないから“ユー・リリィ・ガッミィ!”って全部同じ唄い回しだもん(笑)」
──僕がこのアルバムで一番打たれたのが、5曲目の「実録!コントライフ」なんです。辛酸を嘗め続ける日々の生活を赤裸々に綴った歌であり、“ダメだコリャ次ぎ行こう”という歌詞もあるように、今春急逝したいかりや長介氏に捧げた愛情溢れる鎮魂歌でもあり…。とにかく今まで発表されてきた怒髪天の歌のエキスがすべて集約されている。
増子「うん。全くその通り。この曲を聴いてグッとくるヤツは、イイところにスイッチ付いてると思うよ」
──“でもよォ 人生、喜劇でイイじゃねェか/そうさ 涙にサヨナラだ 笑ってまた明日”というフレーズが歌詞の最後にありますが、至言だと思うんですよ。人生、ホント喜劇だなって思う瞬間が日常の中で多々ありますからね。
増子「今度のツアーで販売されるTシャツ、凄いよ? そのフレーズがそのまま後ろにプリントされてるから!(笑)」
上原子「『実録!コントライフ』はすべて“人生、喜劇でイイじゃねェか”っていう歌詞に集約されてるからね。実は今回、この曲が一番時間が掛かったんだよ。A・Bメロまでの展開はできてたんだけど、何かが決定的に足りなくてずっと悩んでた。そしたらあの最後の詞が曲に載っかって凄く締まったんだよね」
清水「そう、あの最後のフレーズが入らなかったら、ホントただの曲になってたね」
上原子「今回、その最後のフレーズにみんなでコーラスを当ててみたんだけど、増子ちゃんが唄う“でもよォ 人生〜”の部分が耳に入ってきた時に“ウワ、これヤバイわ!”って思った。唄いながら胸にグッと迫るものがあって…」
清水「“こりゃ絶対みんな泣くぞ!”って思ったよね」
──かと思えば、コントで使うラッパの“パフッ!”っていう効果音もあり(笑)。
増子「あれね、坂さん本人が“パフッ!”って言ってるから(笑)。それでツンタタツンタ、ツンタタツンタってあり得ないリズムで叩いてるんだからホントにコントだよ(笑)。でもこういう曲ができて思うのはさ、例えば『如月ニーチェ』なら『夕暮れ男道』、『マン・イズ・ヘヴィ』(2001年9月発表)なら『酒燃料爆進曲』みたいなリード曲っていうはっきりした存在が以前は必ずあったんだけど、今はリード曲以外の曲も全部クオリティが高くなってるから、何とも言えない感じになってはきてるよね。そこからさらに突出するような曲を作ろうとしても、全部が全部イイ曲できると思うから、突出しようがないんだよ。それは贅沢な悩みかもしれないけど、そんな部分に俺達はこれからも挑戦していくんだろうね。前に自分達が作ったイイ曲を超えるべく、自分達自身で勝手にハードルを上げていくっていう…」

揺るぎないリレーションシップ
──リスナーの視点で言うと、怒髪天の曲は初めて聴いた時点でその良さが判らなくても、空手の三年殺しのように後からジワジワ効いてくることがありますよね。個人的な話ですけど、「小さな約束」(『TYPE-D』収録、2003年7月発表)は増子さん主演の映画『Colors of Life』に使われたことで曲の良さが格段に増したんですよ。
増子「『小さな約束』はね、ライヴでやるとその良さが凄くよく判るんだよ。今回の『知床旅情』もそう」
──「知床旅情」!? 森繁(久彌)ですか?(笑)
増子「一番最後に入ってる『孤独くらぶ』ね。俺の中では『知床旅情』のイメージなんだよ(笑)。あの曲もライヴでやって威力発揮」
上原子「『孤独くらぶ』は、冬の寒い感じっちゅうのを出したくて。北海道の冬っぽさみたいなものを」 清水「あの曲は『リズム&ビートニク』を作ってる時にはもうできてたよね」
増子「そう。でもまだ春先だったから、今度のアルバムまで待ってみた。それがさっき言った季節感を意識した部分」
清水「『孤独くらぶ』の音色を決める時に友康さんに呼ばれて、曲を聴かされて…北海道の冬を連想させるなぁって」
増子「俺も友康が作ってきた曲を聴いてそう思った。大概ピンと来るものは共通 するからね。そこでピントが絞れて方向性が決まればあとは早いよ。最近曲を作るのが早くなったのは、そういう現時点でのフォーマットができてきたからだよね。まず俺以外の3人がスタジオに入って曲の骨組みを作る。それが3割くらいできるまでは、俺はあえて極力聴かないようにしてる。最初は友康が作った曲をシミが聴いて、形にしてみて、そこに坂さんのドラムが加わって、友康とシミの思う方向性に俺が混じって“これはこういうイメージじゃない?”って伝えて肉付けをしていく…そんな感じかな」
清水「増子さんは、言ってみれば曲の原型を伝える一番最初のお客さんなんだよ。だからその意見は凄く貴重だし、参考にしてるんだよね」
増子「俺はそれを聴く時、アルバム全体のバランスまで考えるからね」
上原子「増子ちゃん以外の3人で音とメロディだけで詰めていっても限界があるんだよ。せいぜい曲の半分くらいしかできない。何でそこから加速していくかっていうと、やっぱり詞なんだよね。詞が出来上がってきて、その内容を見て一気に加速が付く」
増子「その歌詞は、同じ曲でも2、3パターン考えてくることもあるわけ。その中でどれがイイのかっていうのを、今度は逆に友康とシミに委ねてみる」
清水「だから、友康さんだけは全く何もないところからまず曲を生み出さないといけないから、一番大変だろうなって思う」
上原子「俺はまず、増子ちゃんが“これだ!”ってパッとイメージの湧くようなメロディを考えなくちゃいけない。それが第一関門。そこで何の情景も浮かばない、どんな詞を付けていいのか判らないようなただのメロディを作っても全然意味がないし」
清水「でも、友康さんの作るメロディはどれも景色がすぐに浮かんでくるもんね」
増子「そう。“これはこういう感じの曲だろうな”って、元々あった曲のように判るんだよ」
──そうなんですよね。怒髪天の曲はどれも、どこかで聴いたことがあるようでいて全くのオリジナルというデジャ・ヴュ(既視感)があるんですよ。歴史に残るスタンダード・ナンバーというのは概してそういうものじゃないですか。
増子「そうだね。俺達もアルバムを作るたびにいつも感じるんだけど、元からあったみたいな錯覚に陥るんだよ。ずっと前からそこにあったかのように。不思議なんだよねェ…」 清水「メンバーそれぞれの経験の中で、何か共通する絵柄が浮かぶんだよね。それが1曲の歌として形になる」
増子「シミは俺が聴いてきた音楽と完全に被ってるから、俺が言わんとしていることはシミがやっぱり一番理解が早いわけ。俺はそれを音楽的に友康に伝えることができないんだよ。でも、そこをシミが友康へしっかりと音楽的に伝えてくれる」
──なるほど。見事なバンドのリレーションシップですね。
増子「(坂詰を見て)ところがそうでもないんだよなァ(笑)。一人だけ名前が挙がってないからね(笑)」 坂詰「(相変わらず料理と酒に夢中)……ああ、いや。ははははは」
増子「坂さんはみんなが迷った時の肯定係だから。3人が煮詰まって“うーん、どうしよう?”ってなった時に“大丈夫、最高です!”って必ず言ってくれるからね(笑)。言ってみれば社長のハンコと同じ(笑)。まぁホントはね、もっとパカーン!と開けたアッパーな感じのアルバムがテイチク第1作目としては相応しいのかもしれないけどさ、これまでと地続きなわけだし、力強いものができて良かったと思うね。どの曲が一番の押しと言えないようなアルバムを作るのがやっぱり一番イイわけ」

とにかく一度聴いてみてくれ!
──気の早い話ですけど、『リズム&ビートニク』『握拳と寒椿』に続く三部作完結篇はどんなものになりそうですか?
増子「この間のリハで多少まとまってきたんだけど…より男っぽいものになると思うよ」
上原子「サウンド的にはもっとシンプルになると思う。アレンジでの肉付けを控えるとかそういうことではなくて、いろんな面 でよりシンプルに行きたいっていうか」 清水「行き着くところはシンプルな“イイ歌”だよね。“イイ歌”っていうのは、歌詞とメロディが過不足なく成立していれば、極端な話、後ろの演奏は別 に要らないと思うし」
増子「そう。ヒューマン・ビート・ボックス(道具を一切使わず、自らの口、体だけであらゆる音を奏でるヒップホップのスキル)でもイイってくらい。ねェ坂さん?」
坂詰「(そしてやっぱり料理と酒に夢中)……うん、そうそう!」
増子「話、全ッ然聞いてないからね(笑)。例えばハイロウズとかさ、新しい曲がCMから流れてくるじゃない? 凄くイイと思うもん、単純にメロディと歌詞が。ホント凄いと思うよ。だから昔で言ったら憂歌団とかに近いよね。どんな曲をやっても結局その人達の音楽になってしまうというね」
──あえて言うなら、ブルースに近いですよね。
増子「そうだね。まぁ、今度の『握拳と寒椿』ではギラギラ感っていうのを今までのベクトルとは違う形で出せたとは思うけど…。(菅原)文太はね、『トラック野郎』シリーズを始めた時に42歳だったんだよ。今の俺より4つも上。あの歳であのギラギラ感だからね。まぁ、坂さんは違う意味でギラギラしてるけど(笑)」
──レコ発ワンマン・ツアーの『男気運転〈ダンキウンテン〉ツアー 〜4人はアイドリング〜』も非常に楽しみですね。
増子「新作の曲は全部やるつもりでいるけど、選曲はこれからだね。ワンマンでしかできないことってやっぱりあるから、それを存分にやれたらイイね。12月にまたレコーディングをやろうと思ってるから、新春のリキッド・ワンマンはまた違うものを見せるよ」
──懐かしいナンバーも聴けますかね? 友康さんの唄う「風の中のメモリー」も久々に聴いてみたいですが。
増子「“風メモ”ね! あれはイイ曲だからねェ。俺はあの曲で作詞というものに開眼した部分もあるんだよ。自分が唄うんじゃないってところで放たれて作った初めての曲だからね」
──今後、増子さん以外のメンバーがリード・ヴォーカルを取る曲をアルバムに収録する構想はありますか?
増子「あるよ。坂さんが唄うのは『ゴスロリ音頭』とか(笑)。意味判んないけど(笑)」
上原子「あと、4人でアカペラをやってみるのもイイよね。EXILEに対抗して(笑)。誰がベース、ギターとかは関係なく、単純に4人がやってみたいことをやっていきたいよね。まだまだ、自分達のやりたいことの1割もやれてないと思ってるから」
清水「そう、そういうスタイル的なことからは自由でいたいね」
増子「終いにゃ全員楽器を持たないで、“今一番やりたいのはコントだけだ!”とか言って(笑)。そこから突然、前衛バレエ集団になってみたりね(笑)。少なくとも他のバンドよりも俺達はそういう可能性があるから(笑)」
坂詰「(ようやく箸を止めて)まぁ、とにかく……『もっと自由に!』by THE NEWS、みたいな!」
全員「(爆笑)」
増子「たまに口を開けばこれだからね(笑)。坂さん、他に何か言うことないの?」
坂詰「アルバムはみんなドシドシ買って聴いて下さい! そして怒髪天を知らない人に広めて下さい! ツアーではまた一皮剥けた私達を楽しみにしていて下さい! お客さんに言いたいのはですね…×××を鍛えてきてほしいですね!」
──はい?(笑)
坂詰「何故かと言うと、カウントして曲が始まると垂れ流しになっちゃうから…それを防ぐためために…キュッとね!」
増子「本ッ気で意味不明だね(笑)」
坂詰「それくらい感動しますよ! ってことですよ!」
増子「まぁ、この『握拳と寒椿』から怒髪天を聴き始める人達のほうが多いのかもしれないけど、“こんなバンドだよ!”って一発で判る名刺代わりとしては申し分のないアルバムになってるから、絶対に聴いてほしい! ライヴもそう。ワンマンはワンマンでしかできない曲もあるし、俺達の一番イイライヴはやっぱりワンマンだからね。これも絶対に来てほしい! 公式サイトのBBSやライヴのアンケートとかを見るとさ、“今まで怒髪天を知らなかったことを凄く後悔してます”っていう意見がホント凄く多いから。だから老婆心ながら忠告しとく! 1回聴いてみてくれ! それで合わないんだったらしょうがないよ。でもとにかく一度でイイから聴いてみてほしい! 俺達が言いたいのはそれだけだよ」

■Release info.

握拳と寒椿

TEICHIKU ENTERTAINMENT / IMPERIAL RECORDS
TECI-1078 2,000yen (tax in) / IN STORES NOW
【収録曲】
1. 男ノ華 / 2. 愛の嵐〜風速2004メートル〜 / 3. 今日という名の街 / 4. 一番星ブルース / 5. 実録!コントライフ / 6. 孤独くらぶ

Live info.

<握拳と寒椿 男気運転ツアー 〜4人はアイドリング〜>
11月28日(日)札幌ペニーレーン24
OPEN 18:00 / START 18:30 
PRICE: advance-3,000yen / door-3,500yen(共にDRINK代無)
【info.】WESS:011-614-9999

12月4日(土)大阪CLUB QUATTRO
OPEN 18:00 / START 19:00 
PRICE: advance-3,000yen / door-3,500yen(共にDRINK代別)
【info.】YUMEBANCHI:06-6341-3525

12月5日(日)名古屋CLUB QUATTRO
OPEN 17:00 / START 18:00 
PRICE: advance-3,000yen / door-3,500yen(共にDRINK代別)
【info.】クロスロードミュージック:052-732-1822

12月10日(金)東京CLUB QUATTRO
OPEN 18:30 / START 19:30
PRICE: advance-3,000yen / door-3,500yen(共にDRINK代別)
*完売御礼!! 当日券の発売は一切ございません。
【info.】HOT STUFF PROMOTION:03-5720-9999

◎新春追加公演決定!!
2005年1月15日(土) 東京LIQUIDROOM ebisu
OPEN 18:30 / START 19:30
PRICE: advance-3,500yen / door-3,800yen(共にDRINK代別)
【info.】HOT STUFF PROMOTION:03-5720-9999

OFFICIAL WEB SITE:怒髪天ドットコム
【PC】http://www.dohatsuten.com/
【MOBILE】http://www.dohatsuten.com/keitai/

協力:GLOBULE MUSIC PUBLISHERS, INC. .

怒髪天の皆様から素敵なプレゼントがあります!
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怒髪天ロフトWEBコラム執筆中!