ニートビーツ暦もいよいよ1970年に突入した昨年、70年代のロック・スター然としたド派手な装いとその音楽性の進化が大きな物議を巻き起こしたザ・ニートビーツ。2代目ドラマーとして朝原“MR.SHALLOW”啓介を正式メンバーに迎えた今年、彼らはその加勢を得てシンプルかつストレートなロックンロールへの回帰を果
たし、自分たちの音楽を純粋に楽しむ余裕とバンド初期衝動をも取り戻したかのようだ。それほどまでに、通
算9枚目のオリジナル・アルバム『BIG BEAT MIND!!』で聴かれる不動のロックンロールはどこまでもソリッドで逞しく、そして何より瑞々しさに溢れている。常に我々聴衆の期待や予想をたおやかに裏切り、レコーディングでもライヴでもそれ以上の実りある成果
を必ずや提示し続ける彼ら、この先どこまでフルスロットル全開で突っ走っていくのか、ますます面
白いことになってきた!(interview:椎名宗之)
テクニック云々よりも「何か面白いこと喋れ!」
──今年に入ってからのニートビーツのビッグ・ビートならぬビッグ・ニュースは、何と言っても朝原“MR.SHALLOW”啓介さんが加入して、再び4人組のコンボとして活動をスタートさせたことですね。
真鍋“MR.PAN”崇(lead g, vo):そうですね。啓介のことは最初全然知らなくて、知り合いに紹介してもらって。一緒にスタジオに入ってわずか30分間、プレイして20分くらいで決めましたね。
土佐“MR.LAWDY”和也(2nd g, vo):それまでに他の人ともセッションをしてみたんだけど、今ひとつシックリこなかったんですよ。
真鍋:“ATTENTION PLEASE!! TOUR”が終わった後、新木場のSTUDIO
COASTでライヴ(“FM FESTIVAL GREATEST MUSIC "LOUD MINORITY SPIRIT!"”)をやることだけは先に決まってて、ドラマーは相変わらず決まってなかったんですけど、THE
HIGH-LOWSやRHYMESTERなんかも出るし、大きな会場だから出てみようと。ドラマー?
これから探せばいいじゃん、みたいな(笑)。
──去年1年間はずっと、クハラカズユキさん、奥野真哉さんの両名をサポートに迎えてライヴ活動をされていましたからね。
真鍋:うん。キュウちゃんや奥野君とのコンビネーションは抜群だったし、バンドとしてもいい経験になったんだけど、今年はドラマーを固定したパーマネントな感じでやりたかったんです。で、啓介を巻き込んだ。最初は俺、彼のことを“岩”って呼んでた(笑)。演奏してる姿がとにかくガッチガチで固かったから(笑)。
──朝原さんは、ニート加入前はどんなバンドをやっていたんですか?
朝原“MR.SHALLOW”啓介:下北のclub
Queに出てるような…いわゆるギター・ポップ系のバンドというか。俺、ニートのことはほとんど知らなかったんですよ。何かの雑誌で写
真を見かけたくらいで。で、以前から知り合いだったキュウちゃんに「こんな面
白いバンドがいるんだけど…」って紹介されて、興味を持った。
真鍋:啓介は、キツツキ・ヘアにフレア・パンツな去年の“カラフル・ニート”にピンと来て立候補してくれたんだけど、ご覧の通
り2005年のニートは従来のニートに近い“モノクロ・ニート”だから、スーツもみんなで新調して、髪の毛もリーゼントでアップにまでされて…。
朝原:見事にダマされました(笑)。でも、実際に一緒にやってみて思ったのは、今どき珍しいくらいにバンドらしいバンドだな、と。ここまで信念を持って活動を続けながらも、凄く自由度の高いバンドなんですよ。だからは今は凄く楽しいですね。
土佐:それは褒めすぎ(笑)。いつも悪いなと思うのは、啓介は酒が一滴も呑めないんです。みんなで酒を呑んでも当然割り勘だから、毎回彼だけ高く付く(笑)。
真鍋:前のドラマーのMR.SHEENも下戸だったし、ドラムは酒が呑めないっていうのはニートの伝統なのかもな。
三浦“MR.ROYAL”誓山(b, vo):同じリズム隊としては、最初に音合わせをした時から手応えはありましたよ。ニートのドラムはただ巧いだけじゃなく、跳ねるようなリズムを生み出せないとダメなんです。
真鍋:俺は啓介に対して技術的に高い欲求をしたことないもん。そんなことよりも、ライヴで間が空いた時に「何か面
白いこと喋れ!」とか、このバンドではそっちのほうが重要だから(笑)。
土佐:それ、俺たちにも言われてるような気がするな(笑)。
──じゃあ、春に行われた“BEAT EXPRESS”“MAJESTIC SOUND NIGHT”の両ツアーは、新生ニートの地ならし的な意味合いもあったわけですね。
真鍋:うん。それとファンに対するお披露目の意味も含めて。春のツアーでだいぶバンドの一体感が強まってきたし、今はかなりいい感じになってると思いますね。
──ということは、今回リリースされる9枚目のオリジナル・アルバム『BIG
BEAT MIND!!』は、朝原さんが加入してすぐに制作に取り掛かったということですか?
真鍋:そういうことです。啓介が正式に加入してひと月も経たないうちにリハーサルを始めて。曲なんて全然出来ていないのにアルバムを作る、しかも2枚組を作るぞ!
って(笑)。
──その上、前作の『ATTENTION PLEASE!!』からわずか約7ヶ月という恐ろしいスパンの短さ。
真鍋:『ATTENTION PLEASE!!』の半年前には、ベスト盤(『NEAT-AT-BEST』)も出してますから。新曲が出来ない割に、やりたいことのアイディアだけは後から後から無尽に湧いてきますから(笑)。今のストーンズみたいな世界の至宝クラスのバンドは5、6年新譜が出ないのは当たり前だけど、60年代のビート・グループは3ヶ月に1枚は必ずシングルが出るハイ・ペース振りだったから、ああいうスピード感で駆け抜けていきたいと思ってるんですよ。
短いインターバルでどれだけ濃密な作品を生み出すか
──今回の『BIG BEAT MIND!!』は前作の『ATTENTION PLEASE!!』から一転、古くからのファンは「コレだよ、コレ!」と思わず快哉を叫びたくなるような往年のニート節てんこ盛りで、しかも2枚組。聴き応えは十二分にありますけど、2枚通
しで聴いても、意外にサラッと聴けますよね。
真鍋:飽きのこない作りにしたかったんです。2枚組でも割とあっさり聴けるような、いい意味で軽い感じがいいんじゃないかと思ったんですよ。
──70年代ブリティッシュ・ロックに根差した華麗で骨太なサウンドを全面
に押し出し、劇的な変化を遂げて“離陸”した『ATTENTION PLEASE!!』からバンドが何処へ着地するのかと思えば…まさかここまでシンプルかつストレートなロックンロールの乱れ撃ちで来るとは思いもしませんでした。
真鍋:いい意味で開き直れたんですよね。前のアルバムの時みたいに、ヘンにこねくり回して長尺の曲をやるよりは、新しいメンバーも迎えた上で今まで通
りのサウンドで行こう、と。せっかくパーマネントのバンドに戻れたわけだし、何事もなかったかのようにまた60年代ブリティッシュ・ビートをやる、しかも2枚組というヴォリュームのあるアルバムが気が付いたら出ていた…そんな感じでやりたかった。やっぱり、ちゃんとしたコンボ編成になると直球勝負のロックンロールをやりたくなって、自然と身体が疼きましたね。
──ストーンズになぞらえるならば、サイケな『THEIR SATANIC MAJESTIES
REQUEST』から原点回帰を目指した『BEGGARS BANQUET』や『LET IT BLEED』へと移行するような感覚ですか?
真鍋:うん、そういう感じはあるかもしれませんね。よりプリミティヴな方向へ行きたいと思ったことは間違いないです。今回こういうアルバムが出来たのは、『ATTENTION
PLEASE!!』みたいなアルバムがあったからこその揺り戻しですね。ただ、今のライヴでも『ATTENTION
PLEASE!!』の曲はやっているし、当たり前ですけどこれを退化とは思ってません。一見同じところをグルグル回っているようだけど、ちゃんと階段は登っているという、螺旋階段みたいなものじゃないかと思ってます。
──レコーディングも割とトントン拍子で進んでいった感じですか。
真鍋:はい。順調も順調、大順調でしたよ。
土佐:1曲につき、録るのもせいぜい3テイクくらい。しかもそのなかで最初のテイクが一番良かったりすることが多いんです。俺は誰よりも先にスタジオに入って、前日の録り直しをこっそりやったりもしましたけど(笑)。
真鍋:多少音を外していたりしても、自分たちが気持ちよく弾ければそれでOKですから。俺が“自分の歌、イマイチだったかな?”と思っても、他の3人がOKを出せばそのテイクを採用しちゃう。
──あ、そうなんですか。僕はてっきり、60年代ブリティッシュ・ビート原理主義に基づく真鍋さんの独裁体制が敷かれているのかと…(笑)。
真鍋:いやいや(笑)。決め事はいつも多数決だし、ニートビーツってもの凄く民主主義的なバンドなんですよ。ある程度時間を掛ければ、どんなアーティストでもそれなりの作品を作れると思うんです。でも、今の俺たちは短いインターバルでどれだけ濃密な作品を生み出せるかに意義を見出しているんです。
──特筆すべきは、全25曲中、実に半数の曲がゲスト・プレーヤーを迎えてレコーディングされている点ですね。THE
HIGH-LOWSの甲本ヒロトさんに真島昌利さん、去年サポート・メンバーとして活動を共にしたSOUL
FLOWER UNIONの奥野真哉さん、Scoobie Doのオカモト“MOBY”タクヤさん、THE
88のMABOさん、スカポンタスのホーン・セクションと、ニートビーツの音楽人脈を最大限活用したかのような豪華な顔触れで。
真鍋:いわゆるお仕事的なものじゃなく、フラッと遊びに来てくれた延長でセッションを楽しんでもらうように心懸けましたね。「ちょっと遊ばへん?」っていう軽いノリでお誘いして、参加してくれた人たちにも存分に楽しんでもらえるように。ヒロト君が参加してくれた「ハーフ・パイント・ブルース」は、最初はハープだけの参加をお願いしてたんですけど、「あのさぁ…ヴォーカルもお願いできないかな?」って当日現場で突然頼んで(笑)。
──ははは。騙し討ちじゃないんですから。
真鍋:「ハープ吹いてもらったから、曲の感じは掴めてるでしょ?
最後のパート、唄ってよ」って強引に(笑)。案の定、「エエ〜ッ!?」って驚かれたけど、それも全部こちらの計画のうちでしたから(笑)。先に俺が全部唄ってあったんですけど、最後のところを消してヒロト君のヴォーカルを入れ込んだんです。
土佐:マーシーがギターとヴォーカルで参加してくれた「GOOD
OLD ROCK'N'ROLL Medley」もそんな感じだったよね。
真鍋:「歌も唄ってよ」ってこれまた強引に(笑)。でも、後日「凄く楽しかった」ってマーシーも言ってくれてたみたいで。ああいうロックの“黄金ナンバー”をあれだけ盛りだくさんでやる機会は本人もなかなかないでしょうからね。もちろん、俺たちも凄く楽しかったですよ。
今のニートビーツにタブーは一切ない
──DISC-2の“MIND side”ではその「GOOD OLD ROCK'N'ROLL Medley」(チャック・ベリーの「Sweet
Little Sixteen」、リトル・リチャードの「Long Tall Sally」、カール・パーキンスの「Blue
Suede Shoes」などのメドレー)を始め、ゴフィン&キングが書いたクリケッツの「DON'T
EVER CHANGE」、クリフ・ベネット&ザ・レベル・ラウザースの「BEAUTIFUL DREAMER」など、ロックンロールを語る上で欠かすことのできないクラシック・ナンバーが疾風の如くカヴァーされていますね。
真鍋:単純に好きなナンバーばかりなんですよ。今どき、これだけベタベタな選曲でカヴァーやるヤツらも他にいないだろうと(笑)。「SHAKE」は前作の「TWISTIN'
THE NIGHT AWAY」に続くサム・クックのカヴァーで、スモール・フェイセズのカヴァー経由。“MIND
side”に収めたカヴァーは、ホーン・セクションが参加してくれたナンバー(ジョン・メイオール・ヴァージョンの「LOOKING
BACK」、「DON'T YOU JUST KNOW IT Medley」)と純バンド・サウンドの曲とのメリハリに気を付けましたね。スカポンタスのホーンが入ってくれた時には、「アレンジャーはどちらの方ですか?」なんてエンジニアさんに訊かれたんですけど、「アレンジャー?
ゴレンジャーじゃないんだから、どこの戦隊ヒーローじゃ!?」って感じでした(笑)。音楽を始めて以降、アレンジなんて全部自分たちでやってきましたからね。ヒューイ・スミスの「DON'T
YOU JUST KNOW IT」は、最近健康飲料のCMにも使われ出したので、ちょうどいいタイミングだったな、と(笑)。
──「DON'T YOU JUST KNOW IT Medley」ですけど、コーラス参加しているヒロトさんが最後のほうで「プッシー!」と連呼しているのが笑えましたが(笑)。
土佐:そのメドレー、同じくコーラスをやってくれたマーシーは「アア…」って喘ぎ声を絶えず発してたんですよ(笑)。レコーディングはバラバラにやったんですけど、さすがヒロトさんとマーシー、阿吽の呼吸でしたね(笑)。
真鍋:ヒロト君の「プッシー!」っていう一言も、一番最後にわざとはっきり聞こえるようにしてるしね(笑)。ゲストに参加してくれた人たちがみな一様に「エッ?
こんなんでいいの!?」って感じるほどのリラックスした雰囲気だったというか、俺たちのやり方がいい加減極まりなかったというか(笑)。酒を呑みながら、肩の力を抜いてやった陽気なセッションだったし、これを聴いて「ニートビーツ流のパーティー・ミュージックだ」と言われても別
に否定はしませんね。まぁ、パーティーがあまりにエキサイトしすぎて、ゲストの女性の肩をガンガン抱き寄せたり、セクハラまがいなこともしてしまいましたが(笑)。
土佐:アメリカだったら一大訴訟問題になってもおかしくないくらいの(笑)。啓介はさぞ心許なかったんじゃないかと思いますよ(笑)。
朝原:まぁ…初めて参加したレコーディングがそんな感じだったんで、正直、“これで大丈夫なのかな?”とは思いましたね…(笑)。
──それと、今もライヴでは人気の高い「黒いジャンパー」のPart.2とPart.3(JET
ROCK REMIX)が1枚目と2枚目の終わりにそれぞれ収められているのが意外でしたね。遂に伝家の宝刀を抜いたな、というか。
真鍋:でも、真っ正面からセルフ・カヴァーしているわけではないというか、これも俺たちなりのユーモアなんですよ。ライヴでは必ず盛り上がる人気曲だし、俺たちの代表曲と言っても差し支えない。普通
ならそんな曲をヘンにブチ壊したりしないものですけど、敢えてそれをやってみようと思ったんです。それくらい、今のニートビーツにはタブーが一切ないと思ってますから。
──Part.2、Part.3と続いていくと、ヘタするとTHE虎舞竜の「ロード」みたいな展開になりかねないんじゃないかと…(笑)。
真鍋:ははは。じゃ、次のアルバムで「黒いジャンパー
第四章」とかシリーズ化していきましょうか?(笑)
──Part.3のほうのディスコティックな“JET ROCK REMIX”は新機軸ですよね。でも意外とアルバムの流れを遮ることなく収まっているし、さっき朝原さんが仰ったように、今のニートビーツはどんなタイプの曲でも独自の色に染め上げてしまう、極めて自由度の高い状態にあるということでしょうね。
真鍋:まさしくそういうことだと思います。“リーゼントにスーツ姿”という定形のイメージでは収まりきらない、底深く貪欲な部分が今のニートビーツにはあると思っているし、人の期待や予想をいい意味で裏切り続けたいんですよ。今後、もしかしたらビートルズの「Revolution
No.9」みたいなサウンド・コラージュ的作品をやることもあるかもしれないし(笑)。
土佐:ただ、前に一度レゲエ調の曲にチャレンジしたんですけど、それが文字通
りあまりにスカスカすぎて、これじゃとてもじゃないけど人前で聴かせられないってことでお蔵入りしたことがあったよね(笑)。
真鍋:どんなタイプの曲でもやってみたいと先走りはするんだけど、時に実力が伴わない場合もあるんですよ(笑)。
今も変わらぬ
アナログ盤へのこだわり
──今さらですけど、“BIG side”“BEAT side”“MIND side”“!! side”とそれぞれ分かれているのは、昔の2枚組アナログ盤のA、B、C、D面
を模しているわけですよね?
真鍋:そうです。まぁ、軽いシャレなんですけど、各面
にそれぞれテーマ性を持たせた曲を並べて。俺たちはデビューする時も「“CD”を出したい」のではなく、あくまで「“レコード”を出したい」というのが目標だったので、昔のレコード、つまりアナログ盤へのこだわりは今もずっとあるんですよ。
──7月にはこの『BIG BEAT MIND!!』の2枚組アナログ盤もリリースされるし、「ハーフ・パイント・ブルース」のオルタナティヴ・ヴァージョン、「黒いジャンパー
Part.2」、「THREE FIVE-O」が7インチ・シングルとして順次発表されていくというのは、アナログの生音をこよなく愛するニートビーツらしい試みですよね。しかも、シングルはすべてモノ・ミックスという、コレクターズ・アイテム性が非常に高いのがニクい。
真鍋:60年代のビート・グループがリリースしていたモノラル盤、あの音が俺はやっぱり凄く好きなんですよね。同じレコードでもステレオとは全く音の質感が違う。ビートルズの『PLEASE
PLEASE ME』のモノ盤なんて、今聴くともの凄くパンキッシュで、ステレオ盤とはまるで音が違いますからね。60年代当時のステレオは、無理やり音を分離させたようなしょぼい感じがまたたまりませんけど。
──携帯電話から新曲が簡単にダウンロードできたり、iPodのような携帯音楽プレーヤーが爆発的にヒットしたりとデジタル音楽配信が幅を利かせている今の時代だからこそ、パッケージにこだわったレコードそのものの価値が復権するようになればいいなと思うんですけど。
真鍋:そうですね。俺自身、iPodの利便性は身をもって感じていて、プレイヤーとリスナーの狭間で揺れる葛藤はありますよ。今は、音源の貸し借りをするにもMDやCD-Rに落として受け渡しするという、何とも味気ない感じですよね。俺は未だにLPの貸し借りとかするし、アートワーク込みのパッケージとしての魅力があってこそレコードは面
白いのになと思うんですけどね。今や“ジャケ買い”という言葉すらもあまり聞かなくなったけど。
──LPをダビングするにも、カセットテープに落として、曲目もレタリングしてキッチリやるとかなら好感持てるんですけどね(笑)。
真鍋:そうそう。46分の生テープに23分ずつ曲を振り分ける感じでね。今度出す7インチ・シングルに関しては、仮にレコード・プレイヤーを持っていなくても、部屋に飾るインテリアとして扱ってくれてもいいんですよ。そのために、ジャケットにもちゃんとこだわってますから。アナログのほうは、差し当たってライヴ会場とごくごく小さな輸入盤屋でのみの販売にしたいと思ってます。
──レコ発のツアーも、今月末のロフトを皮切りに32本、9月末までビッシリ入ってますね。
真鍋:9月以降も、まだまだツアーを続けるつもりでいますから。でも、これくらいじゃニートビーツのライヴ本数としては少ないほうですよ。以前は、ライヴの合間にレコーディングを3日間集中してやって、7インチ・シングル、フル・アルバム、ミニ・アルバムと3ヶ月連続でリリースを敢行したこともありましたから。
──それこそ、一発録りを基本として一日でレコーディングしたビートルズの『PLEASE
PLEASE ME』みたいに。
真鍋:ええ。60年代のビート・グループは大抵そんな性急なレコーディングのやり方をしてるでしょう?
俺たちもやればできるんじゃないかと思ってやってみたんですけど、実際あれはなかなかキツかったですよ(笑)。
──それと、『BIG BEAT MIND!!』の発売日にはロフトプラスワンでスペシャル・トークショーも開催されますが、内容は決まってるんですか?
真鍋:これから考えます。何が起こるかは…当日、その時間になってみないと判らないですよ。
土佐:前にプラスワンでやった“居酒屋ロック”の時は、ラジオの録りか何かで真鍋君が途中退席したからね(笑)。
真鍋:今度はちゃんと最後までいますから(笑)。まぁ、何をやるかは当日までのお楽しみです。ここでしか観られない映像やプレゼントなんかも用意するので、期待していてほしいですね。
土佐:ゲストも現在、絶賛交渉中なので。
真鍋:啓介のコーナーを単体で作らないとね。その人となりが遂に暴かれる、という…。
朝原:…………………………(顔が強張っている)。
真鍋:酒が呑めないとかなりシンドイ場かもしれないけどな(笑)。まぁ、ツアーに関しては未だ行ってない地方にもドンドン出かけていくつもりなんで、楽しみにしていて下さい。赤字だろうが何だろうが、そこに1人でも2人でも待っていてくれるお客さんがいる限り、今年は年間ライヴ100本を目指してまだまだ突っ走っていきますから!
|