バンド結成8年目にしてファーストアルバムとなる『ゼロへの調和』。
今、力強く一歩を歩み出した彼らの熱きステージ SPECIAL LIVE REPORT!!

 1997年にVo.Gt.真戸原直人、Gt. Cho.阿佐亮介を中心に、Ba.Cho.中原一真、Dr.Cho.谷口奈穂子らで結成されたアンダーグラフ。関西ストリートのメッカ大阪城公園を中心に大阪・神戸でのLIVE活動を開始。2000年夏、活動の拠点を東京に移し、都内ライブハウスでの精力的なLIVE展開を行う。  そして2005年、アンダーグラフに出会った。彼等の活動経歴から見ると遅いかもしれない。でも、遅ればせながらとても素敵なバンドに出逢えたと思っている。ある日、FMからとても心地の良いメロディーが聞こえてきた。誰の曲なのかわからないけれど、とにかく心に残る楽曲だった。あまりにも気になるので調べてみたところ「アンダーグラフ」の「君の声」だった。それから私はCDを手に入れ、来る日も来る日も彼等の曲ばかりを聴いていた。メロディーがいい、声がいい、という以前にこの1枚のCDからあたたかさを感じた。しかし、この時点ではメンバーの名前も構成もまったく知らず。唯一知っていたのは、日本語でいい曲を歌う“アンダーグラフ”というバンドがいるということ。
 そんな時、彼等のワンマンがスタジオコーストでライブが行われることを知った。「これは行かねば!」と思い、6月14日新木場にあるスタジオコーストへ向かった。会場に着くといつもとは違う光景に圧倒された。中高生らしき制服を着た人人人…。修学旅行の一環なのか? と思ってしまう程。この謎は後々解決したのだが、今年の学園祭への出演依頼を受けたものの、スケジュール的に断らざるを得なかった学校が続出したため、学園祭実行委員の学生さんも招待されていたのだそう。あたたかい彼らの一面 に触れたような気がした。その他にもアルバムリリースとともに立ち上げられたファンクラブ会員全員が招待されていた。
 満員となりつつある会場に入ると長澤まさみさんが出演して話題となった「ツバサ」や「君の声」等の、テレビでもよく見かけていたPVがスクリーンに映されていた。「真面 目すぎる君へ」のPVが終わったと同時にスクリーンとなっていたカーテンが下がり、彼等が立っているステージが現れた。大きな大きな歓声に迎えられライブスタート。私もこの時間を今か今かと待っていた一人であり、ワクワクとする気持ちをどう抑えようかとしていたところだった。
 オープニングはワンマンの翌日に発売となったアルバム『ゼロへの調和』から「ヌケガラカラダ」。演奏が始まった瞬間ゾクゾクするという感覚が体中をよぎった。しなやかなギターの音が会場に響き渡り、女性とは思えない程に力強い谷口氏のドラムが、正確に後方からどっしりとバンドの音を支える。客席は手拍子をしたり、思い思いに体を動かす。お客さんの目がキラキラしているのが暗い会場でも手に取るようにわかる。手拍子を促し客席を煽り、続いて演奏されたのは「アカルキミライ」。美しいコーラスに思わず顔がほころんでしまう。「アンブレラ」ではステージ右のギター阿佐氏がものすごくいい音を出すんだ。しかもいい音を奏でながらも魅せる!という姿勢なのか、彼のパフォーマンスが終始気になってしょうがない。またステージ左はベース中原氏。特にパフォーマンスで目立つということは少ないながら、低音をズンズンと響かせ主張する。でも、こういうのはライブに行かないと見れないもの。MCではバンドを結成して8年目にしてようやくアルバムをリリースすることができる喜びを笑顔で語った真戸原氏。でも、次のアルバムは8年後に(笑)って、、、。もうちょっと早い時期で聴けたらと思いますが…(笑)。
  その後もアルバムに挿入されている楽曲が続く。キーボードの音色がバンドの音に色を添え、よりダイナミックさが加わっている。ステージからもどれほどにこのワンマンを待ち望んでいて、今どれだけ楽しんでいるのかが伝わってくる。ステージと客席が一緒になって、今この瞬間を楽しんでいた。ここで、「僕らとみんなの架け橋となった曲」の言葉とともに「ツバサ」が演奏された。確かにこの曲は多くの人が彼等を知ることができた1曲なのだ。拒否する理由は見あたらない程に心地よいメロディーに、人間の弱さを見せつつも奥底に漲る力強さを綴った歌詞。私の隣に立っていた会社帰りらしいスーツのお兄さんやお父さん、渋谷にいそうなお兄ちゃんもステージを見つめ一緒に口ずさんでいた。こんなにもいろいろな世代に支持されるきっかけとなった1曲。自信に満ち、堂々とした顔で歌う真戸原氏が印象的だった。アッという間に本編最後の曲「君の声」。“笑って泣いて 二人描いた未来見えてますか?”この部分があの時聞こえてきていなかったら、今この場所には来てなかったかもしれないと思うほど印象深い曲。ギターの1音1音が丁寧に演奏される。曲が進むにつれ、気持ちはこの時間が終わらないでいてほしいという願いに変わっていた。それは会場に来ていた全員が同じで、楽曲が終わったと同時に起きた拍手は鳴りやもうとしない。この拍手が大きな大きな声援へと変わった。アンコールの声に引き寄せられ、再びメンバーがステージに登場。皆、緊張がほぐれたような、すっきりとした顔をしている。こういう形でライブができたことが嬉しくて、何度も泣きそうになったと話した真戸原氏。最後に「真面 目過ぎる君へ」を歌い、この日のライブは幕を閉じた。
 彼等のライブを生で感じることができ、幸せという感情が高まりすぎて終始ドキドキしっぱなしだったが、とてもあたたかみのある“何か”をもらった。そして帰り道では、駅に向かう人のあらゆるところから彼等の曲をくちずさむ声が聞こえた。
 彼等は今夏、QUATTRO LIVE TOUR'05『僕らは変わらずに、変わり続ける旅をする。』というクアトロツアーを行う。きっとこの日のような…いや、それ以上のライブを魅せてくれることだろう。(text:Rooftopやまだともこ)

★Live Info.

7/16(SAT)MEGA☆ROCKS2005
8/13(SAT)Exciting Summer in WAJIKI ‘05
8/27(SAT)SOUND MARINA 2005〜Feel the Voice 4〜

アンダーグラフ QUATTRO LIVE TOUR'05『僕らは変わらずに、変わり続ける旅をする。』
8/10(WED)名古屋 CLUB QUATTRO
8/26(FRI)心斎橋 CLUB QUATTRO
8/30(TUE) 渋谷 CLUB QUATTRO

★Release Info.

ゼロへの調和

FLCF-4070
3,200yen(tax in) / OUT NOW

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