【2016/11/16】SHINJUKU LOFT 40TH ANNIVERSARY 上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト 『SPARK』ジャパンツアー2016 〜スタンディングライブ〜


2016年11月16日(水)EX THEATER ROPPONGI
出演:上原ひろみ ザ・トリオ・プロジェクト feat アドリアン・フェロー&サイモン・フィリップス



ただただ……ありがとう、上原ひろみ。

平野 悠/ロフトプロジェクト代表
 なんとも不思議な因縁だった。以前から世界に輝くように発信する特異な上原ジャズのファンはロックのロフトにたくさんいた。上原の叩き出す旋律がフュージョンからフリージャズ、そしてパンクジャズ(誰がつけたか知らないが)に近くなっているからかもしれない。もうただのジャズの範疇には収まらない様相が今の上原ひろみの音楽なのだ。
 とにかくロフトスタッフは新宿ロフト40周年記念事業で、なんとか上原ひろみのロフトライブを開催させたくて動いた。
 上原は「昔から私と同じ種類のカオスが蔓延するロフトをリスペクトしていました。ロフトに出演する若きミュージシャンたちから多くの影響を受けてきた。音楽家の一員である私は、たとえジャンルは違っても一度はロフトで演奏したい」と非公式には語っていた。

◼︎ピアノが大きすぎて入らない
 上原自身のロケハンも済んで、いざという時になんと難題が持ち上がった。上原の指定するグランドピアノが新宿ロフトの搬入口から入らないのだ。これでは演奏ができない。場所を変えるしかないという結論になった。

◼︎なんとも六本木EXシアターでオールスタンディング
 結果的に、ロック演奏では当たり前のオールスタンディングライブが実行されることになった。「スタンディングで聴衆と本気でぶつかり合いたい」というのが上原の本音らしい。
 世界の音楽シーンを渡り歩く上原のスタッフの度量の広さとロックのロフトへの上原の思いが実り、11月16日、ソールドアウトの観客の前でライブが敢行された。

◼︎タイトルは「新宿ロフト40周年アニバーサリー」
 新宿ロフトの40周年ライブになんとか参加したいという彼女の思いはこの日実践された。いやはや凄いライブだった。老いも若きもスタンディングで場内は沸き返った。そのトリオプロジェクトでの演奏は圧巻だった。最後はまさしく山下洋輔さんばりに肘で鍵盤を打っていた。
 会場はロックイベント並みの歓声が飛ぶ。素晴らしい一夜だった。私は彼女に言いたかった。ただただ、上原ひろみありがとうと……。




▲写真をクリックすると拡大します▲


大塚智昭/新宿ロフト店長
 今回、新宿ロフト40周年記念イベントを開催するにあたり、まず考えたのが“グランドピアノデイ”シリーズでした。そしてそのイメージで最初にどうしても出演していただきたかったアーティストが上原ひろみさんでした。一度、前々作のジャケット撮影のロケ地として新宿ロフトを選んでくださった縁もありオファーをしたところ、ピアノが搬入できれば是非にと、非常に嬉しいお返事をいただきましたが、入念な下見の結果、搬入不可能になり、それではと逆提案をいただいたのが今回のEX THEATER ROPPONGIでのスタンディングライブでした。

 普段とは違うスタンディングでのライブは、ロフトを意識してくださったのか、新作『SPARK』からの楽曲を中心に、非常に激しい展開のプレイに、オーディエンスも全力で向かっていく、まさに“ライブ”でした。

 ライブバンドはそのライブで常に死力を尽くし向かっていく、そしてオーディエンスは全力で受け止める、それがライブだと思う、そんなことを以前のインタビューで話していて、その通りのライブに感動しました。

 いつか新宿ロフトの入口を改築して彼女を迎えたいと思います。





▲写真をクリックすると拡大します▲



レポート一覧ページへ戻る





Copyright 2007 SHINJUKU LOFT All Rights Reserved.