Monthly Free Magazine for Youth Culture
ROOFTOP 2006年7
RADIO CAROLINE

I'M A TWISTIN' HEAD!!更に深度を増したオーセンティックなロックンロール!

爆発的なグルーヴを生み出すドラム、ゴリゴリとドライヴしていくベース・ライン、メロディックかつ豪快なギター・フレーズ、そして、どこかノスタルジックな雰囲気を感じさせるメロディ。RADIO CAROLINEの初のマキシ・シングル『TWISTIN' HEAD』は、オーセンティックなロックンロール・マナーをしっかりと血肉化しながら、2006年のロック・ミュージックとしての強度を体現したナンバーとなった。PATCH(vo, g)、ウエノコウジ(b)、楠部真也(ds)という個性溢れる3人のミュージシャンが生み出す独創的にして暴力的なロックンロールはここに来て、更に深みを増しているようだ。次のアルバムに向けてレコーディングに入っている彼らに、現在のRADIO CAROLINEについて訊いた。(interview:森 朋之)

“ALL-OUT”したゆえに生まれた「TWISTIN' HEAD」

──RADIO CAROLINEにとって初めてのマキシ・シングルですね。

PATCH(vo, g):そうですね。(取材用のテレコに向かって)6月21日リリースです!

楠部真也(ds):前からシングルは出したかったんですよ。3人とも7インチとか好きだし。タイミング的にたまたま今になった、って感じですね。

──『ALL-OUT』(昨年10月にリリースされたフル・アルバム)のツアーの後、「次はどうする?」みたいな話はあったんですか?

PATCH:いや、話し合ってそういうことを決めたことはないんだけど。自然な流れなんじゃないかな、今回のシングルに関しても。

ウエノコウジ(b):そうだね。ツアーが終わったら、何もやる気がなくなっちゃったんだよ。だから、年内はほとんど曲も作ってなくて。それくらい“ALL-OUT”したってことだと思うんだけど。年が明けてからは仕切り直しというか、今年は今年の感じがしてるけどね。やっぱり違うよね、去年とか。

──ツアーが終わった時点で、とりあえずはやり切った。

楠部:“終わっちゃったな、ショボビーン”みたいな。でも、それは最初から変わってないんですよ。ツアーが終わって、ひと段落して、さぁ、また次に行こうかっていう。

PATCH:俺は別に“ショボビーン”とはしてなかったけどね、真也ほど(笑)。でも、“もうネタがなくなりました”って感じはあって。俺も曲を作ろうって気にはなれなかったし、浮かんでくることもなかったので、何もやってませんでした。そういう切り替えって、やろうと思ってもできないんだよね。まぁ、秋くらいにアルバムを出して、暮れまでツアーをやって、っていうのがレディキャロのスタンスでもあるし。

楠部:実際、年が明けたら“スタジオ入って、曲を作る”っていうモードになってきたし。

ウエノ:うん。無理クリ変えようと思っても変わんないし。そんなに器用な人間が集まってるわけじゃないから、自然にやらないと。無理が生じるから。

──あとで歪が出る?

ウエノ:なんかそういう気がするけどね。

PATCH:今年も自然に新しい流れに入っていけたから、良かったんじゃない?

──なるほど。じゃあ、「TWISTIN' HEAD」は今年に入ってから出来た曲なんですね。

PATCH:そうよ。もともとはアルバムを作ろうと思って曲作りをやってたんだけど、その流れの中で出来た曲で。別にシングルにしようと思ってたわけではないんだけど、3人の中でビシッとくるものがあったんじゃない?

楠部:今のRADIO CAROLINEの雰囲気がそのまま出てると思いますね。凄く勢いがあるし、あと、切ない感じもあって。

──そうっすね。めちゃくちゃスピード感があるんだけど、メロディはどこかノスタルジックで…。とにかく歌メロがいいな、と。

PATCH:ありがとうございます(笑)。ちゃんと歌になってきたでしょ? だんだんそうなってきたんだよ、去年くらいから。

楠部:自分の昔の歌を聴いたら、恥ずかしくなるらしいですよ(笑)。

PATCH:なんでここで(音を)上げないかなぁ、とかね。今だったら、こういうメロディにはしない、って思うこともあるし。どうやら耳が肥えてきたみたいです、34になって(笑)。あとね、歌もギターも上手くなってきちゃったんだよ。ウエノさんと真也は信用してないと思うけど。

──ちなみに、「TWISTIN' HEAD」ってどういう意味なんですか?

PATCH:曲を作ってる時に自然と出てきたんだよ。でも、意味なんか説明しちゃったら、それもヤボな話でねぇ。

──そりゃそうっすね。

PATCH:意味が知りたかったら、一晩かけて教えてやってもいいけど。ただし、女性に限る。

──了解しました(笑)。今回のシングルは下井草のスタジオでレコーディングしたそうですね。

PATCH:そうそう、インパクト下井草(LOFT PROJECTが経営するスタジオ)でやりました。アルバムの時は川越(GGKR/STUDIO)で2、3ヶ月やってたんだけど、今回は3曲だし、バーンと録れればいいんじゃないかなって。

楠部:前にタイガーホールの7インチを出した時に、そこで録ったんですよ。一発録りでバーンとやれて、凄くいい感じだった印象があって。

PATCH:凄く狭くて天井も低いんだけど、それがいいんだよね。あと、音を出していい時間が夜の9時までだったから、それがいいプレッシャーになってましたね(笑)。その時は生活のリズムも良かったし…それが曲のリズムにも出てるかな。

楠部:いちいち要らんこと言わんでええ。

──(笑)『ALL-OUT』の時は、より強いライヴ感を出したかった、って言ってましたが…。

ウエノ:ライヴってよりは、“アンプから鳴ってる音”とか“ドラムの前に立ってる時に聴こえる音”ってことだけどね。今回はねぇ、まぁ、その先には行ってると思うけどね。ずっとそうだけど、全部続いていくもんだと思/愾ってるから。『ALL-OUT』がなかったら今回のシングルはないし。そういう感じの音になってると思うよ。

楠部:3人の聴きたい音、出したい音、その時の気分っていうのがありますから。もし仮にアルバムの時と同じスタジオで録ってたとしても、3人の出音、出来上がり感は違ってたと思うし。まぁ、3人の中で思い描いてる「TWISTIN' HEAD」が出せたんじゃないかな、と。3曲入ってるから、全部聴いてもらえれば、よりバンドの勢いを感じてもらえると思います。


バンドの核がより前に出た手応え

──「COME ON LET'S GO」(オリジナルはリッチー・ヴァレンス)のカヴァーも入ってますが、これもカンペキにレディキャロのバンド感ですよね。

楠部:そうですね。もちろんカヴァーはカヴァーなんですけど、自分達の曲に近いというか、ちゃんと消化できてるとは思ってるので。RADIO CAROLINEなりに解釈した上でレコーディングしてるというか。

──カヴァー曲を音源にするのは、初めてですよね?

楠部:うん。ライヴではやってるんですけどね。前のツアーでは「TEENAGE KICKS」(アンダートーンズ)をやってたし、あとはボ・ディドリーの「I CAN'T TELL」とか。

PATCH:まぁ、軽いノリですよね。シングルを作ってた時は、あんまり曲もなかったし(笑)。たまにはカヴァーもいいっすよ。リフレッシュできて。

──なるほど。レコーディング以外のことも聞きたいんですが。ちょっと小ネタを仕入れてきたので。

PATCH:お、何でしょう?

──今回のアーティスト写真は千葉の九十九里の海岸で撮影した、ということですが…。

PATCH:ははははは! それ、俺の話じゃん。あのですねぇ、撮影してる時、今年90歳になるおばあちゃんが来たんですよ。自転車に乗って。

──連絡してあったんですか?

PATCH:うん、一応。撮影場所が実家の近所だったから、「帰り、寄れたら寄るわ」って。そしたら親戚中に電話してたみたいで、いきなりおばあちゃんがやって来て。フツーに自転車で来たんだけど、ウエノさんと真也は「立ち乗りしてた」って言ってました。

楠部:言ってないっすよ。それくらいのスピードで来た、って話で。

ウエノ:(笑)や、マジで凄い速いんですよ。来たら来たで、PATCHのことしか見てないし。

楠部:俺なんかが「どうも〜」って挨拶しても、目も合わせてくれないですから。

PATCH:で、俺の横に座って。

ウエノ:撮影にも入ってくるんじゃねぇか? くらいの勢いで。

──愛されてるんですねぇ。

PATCH:まぁ、6年振りですからね、会うのが。

──あと、PVも凄いらしいじゃないですか。聞くところによるとメンバーのアップが多くて、それが賛否両論を呼んだとか。

楠部:アップが多いんじゃなくて、アップが長いんですよ。

ウエノ:異様に長いんだよね、それが。最初は「これ、ないほうがいいんじゃない?」って言ったんだけど、監督がどうしてもこだわってるところだったから、そこは尊重して。でもねぇ、特にPATCH(のアップ)が長いんだ。

PATCH:そうなんですよ。脂汗でテカッてるし(笑)。

ウエノ:何回見ても、“うわ、キツイなぁ”って思うもんね。早送りしたくなるくらい。

PATCH:監督から「睨んで下さい」って言われたから、そうしたんですけどね。真也のアップなんか涼しげですけど、俺は湿地帯だから。高温多湿(笑)。

ウエノ:お腹いっぱいです。

PATCH:“有害PV”っていう括りがあったら、選ばれるかも。まぁ、いい経験ですよ。

──いろんな意味で新機軸となるシングルかも(笑)。でも、音はめちゃくちゃいいですよね。新しい要素も感じられるんだけど、RADIO CAROLINEの軸はまったくブレてない、というか。

楠部:うん、核の部分っていうか、そういうものはより出てると思います。

PATCH:なんだかんだ言っても、まだ3年目くらいだからね。そろそろいい感じになってきたんじゃない?

楠部:3人とも特殊っていうか、ちゃんと自分だけの音を奏でてる連中だと思うんですよ。それが混じった時の出音はガッチリ固まってますよね。もちろん、自分達だけの感覚ではなくて、聴いてくれる人達にも“なるほどね”って思ってもらわないといけないんですが…そこに関しては、今回のシングルがいいきっかけになるんじゃないですかね。

PATCH:うん。『TWISTIN' HEAD』はいいと思うよ、取っ掛かりとして。

ウエノ:さっきも言ったけど、シングルを作ろうと思ってたんじゃなくて、アルバムのための曲作りの中で出てきたもんだから。ちゃんと次に繋がるシングルだと思うよ。

──判りました。アルバムのレコーディングは順調ですか?

ウエノ:うん。

PATCH:楽しいっすよ。何が楽しいのか? って言われたら困るけど。

楠部:モノを作ってる過程っていうのは楽し/愾いですよ。プラモデルでも、作ってる時が一番楽しいじゃないですか?

──そうっすね。新しいトライアルもあるだろうし。

ウエノ:まぁ、それはアルバムが出来た時に話すよ。俺はもう、Rooftopに出る気まんまんだからね。アルバムの時は表紙のつもりでいるから。だってさぁ、『ISHIKAWAの気になる日記』に“RADIO CAROLINEのアルバムが完成したらしい”って載るだけだったりしたら、つまんないじゃん。小さいプロモーションだよ、それ。

──もちろん、アルバムの時はガッチリやらせてもらいます。あと、言い残したことはないですか?

ウエノ:あ、『Roulette Lounge』(RADIO CAROLINE主催のイヴェント)のこと書いといて。7月26日、LOFTでやるから。

fellows met by chance

TWISTIN' HEAD

1.TWISTIN' HEAD 2.KILL TIME BLUES 3.COME ON LET'S GO
Columbia Music Entertainment,Inc./TRIAD COCA-50931
1,260yen (tax in)
◆初回限定盤:「Dead End Summer」ライヴ映像CDエキストラ付き
◆オリジナル特典(初回限定盤のみ/数量限定)
◇TOWER RECORDS:タワーレコード オリジナルCDジャケット
◇HMV:抽選でオリジナル・デザインTシャツをプレゼント
IN STORES NOW
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Live info.

RADIO CAROLINE“TWISTIN' HEAD”RELEASE PARTY『Roulette Lounge』
7月26日(水)新宿 LOFT
GUEST: SCOOBIE DO
OPEN 18:00 / START 19:00
TICKETS: advance-3,150yen (+1DRINK)
【info.】shinjuku LOFT:03-5272-0382

“TWISTIN' HEAD”RELEASE EVENT TOUR
7月6日(木)札幌 HALL SPIRITUAL LOUNGE
7月10日(月)神戸 STAR CLUB
7月11日(火)松山 サロンキティー
7月13日(木)大分 TOPS
7月15日(土)大阪 Rock Rider
7月16日(日)京都 MUSE
7月25日(火)名古屋 アポロシアター
7月26日(水)新宿 LOFT【上記参照】

7月29日(土)AOMORI ROCK FESTIVAL. 06'〜夏の魔物〜:つがる市森田町 野外円形劇場
8月6日(日)TIGER HOLE presents ROLLING SUMMER RIOT 06:LIQUID ROOM EBISU
8月19日(土)RISING SUN ROCK FESTIVAL 2006 in EZO:北海道石狩湾特設ステージ
8月25日(金)VINTAGE 2006 presents『Re:mix 2006』:名古屋CLUB Diamond Hall/APOLLO THEATER【同時開催・出入自由】

RADIO CAROLINE OFFICIAL WEB SITE
http://www.radiocaroline.jp/
http://columbia.jp/radio-c/

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