テーマは“地球”なんです
daigo:早速ですが、今回初めてレコーディングスタジオで録ったということで、ライブハウスで録るのとスタジオで録る違いはなんですか? 俺等ライブハウスで録ったことないからどうなってるんだろうって思う。
南雲:レコーディングはリッツみたいな経験があってそれに慣れちゃってるから、テーブルがあって椅子があってっていうところではなんとなくまだ落ち着かないです。ライブハウスの楽屋の地べたで寝たりとかそういう感じがよかった。
千葉:よかったというか慣れてる。音は確実に変わってきたけどね。
SENSHO1500:音がCDっぽくなったよね。
千葉:前の時は音がすごい反響してAxSxEさんもマイクをどこに立てるか悩んでたけど、今回は音的にも防音してるから。それに今回は機材も借り放題だった。
SENSHO1500:スケルトンズがレコーディングしてるスタジオに遊びに行ったんだけど、ひさびさにあれほど借りてる人を見たよ(笑)。
南雲:名前聞いたことないなってのを借りたりしましたね。
千葉:これはなんなんだろっていうのをね(笑)。知りたかったんだよ、どんなものか。だから見ただけで使わなかったやつも何個かある。
daigo:でも今作は1枚を通してビシッと来てるよね。この短さで出来るのかなとは思ってたけど、散漫さがなかったよ。
千葉:ミニだってのは最初から聞いてたし、より短い間にどれだけ出すかっていうのは意識した。
SENSHO1500:曲はいつから作り始めました?
千葉:『18〜エイティーン』(M-1)はツアー中にスタジオ入って作って、『レッツゴーイシダイ君』(M-2)はTYPHOON24とのツーマンの時。
南雲:できた順に並んでるんですよ。『〜イシダイ君』は練習する時間がすごく長かったから、思いついたことを詰め込みすぎちゃって、曲がわかりづらいとも言われてますけど…。
daigo:今回リズム隊はすごく安定してるよ。
千葉:そうだね。ドラム松岡のいいところが伸びてきた気がする。悪いところは悪いまんまだけど(苦笑)。ベースはヘルプだから今後どうってわけではないけど、この作品に関してはとっても良かった。あと、基本的にどポップというか、ポップスが根にあるからよりロックっぽくするにはオンコードの感じが出したくて、今回はコミュニケーションがうまく取れたよ。『君のこと』(M-6)に関してはレコーディングの数日前にあがったんだけど、リズムがけっこう凝ってるでしょ。曲がポップだから最初できないんじゃないかって話だったんだけどね(笑)。
南雲:どの曲にも千葉さんが昔聞いてた80年代の歌謡曲が入っていると思うんですよ。それがスケルトンズの強みだとも思うし。
SENSHO1500:それは前作から歌メロもあったんだけど、今回アレンジの部分が凝ってる。インストのギターもいい音出してるよね。
南雲:僕、今回ギタープレイでAxSxEさんに「お前のギター、セクシーやな」って言わせたんですよ。
千葉:あんなセクシーな男にね。でも、ギターをシンプルにしたらオイシイところが目立つようになったよね。ギターのダビングの時間が半分ぐらいになったもん。前はそんなの絶対いらないよって思ってたのに、あれもやるこれもやるってところが多かったから。
daigo:シンプルになった分、歌が引き立ってきてるよ。
SENSHO1500:『オーロラ』(M-3)は今までになかったかんじだもんね。
千葉:これはワザと。SENSHOくんの『Rainbow Express』聴いて対抗しなきゃと思って(笑)。
SENSHO1500:(笑)ところで、スケルトンズってずっと聞きたかったんだけど海と夏がテーマなんですか?
千葉:それは永遠のテーマ。
南雲:基本的にテーマは“地球”なんですよ。
千葉:アースなかんじ。LIFE ON EARTH(笑)。
daigo:あと、泣き虫ロックのくせに今回は涙が少ないね。
千葉:今回は強いんです。
お互いそういう時期なんじゃないかな
SENSHO1500:この中で一番好きな曲はどれですか?
南雲:僕は『レッツゴーイシダイ君』ですね。ポップスからメタルまで80年代の日本にこだわった曲。
千葉:前作も別に海外の感じはしないけど…(苦笑)。俺は『君のこと』かな。できた順なんで最近できた曲が好き。
SENSHO1500:千葉くんってバンドをいっぱいやってるけど、曲はバンドごと分けて作ってるの?
千葉:スケルトンズの曲作らなきゃって時に、スケルトンズの曲作るから分けて作ってるってことはないよ。
SENSHO1500:レコーディングの期間が近くなるとガールハントを引きずりながらスケルトンズを作曲したりとかもある? 曲作るときモード変えてったりするじゃん。
千葉:俺の場合Aメロまでなら1日で作れるのね。夜にスケルトンズのプリプロあるって時は朝起きてから作る。
南雲:ガールハントの曲で、「あの曲スケルトンズっぽくていい曲ですよね」って言ったら俺もそう思ってたんだよって言われたことありましたけど(笑)。
千葉:分けてるわけじゃないんだもん。
南雲:だからガールハントにいい曲入ってるともうちょっと早く言えばこっちの曲になったかも!って思うときあるもん。でも今回は素晴らしいデキでうれしいっす。
daigo:1曲目の『18〜エイティーン』からすごくガッときますね。できた順とは思わなかったですよ。選んできてるのかなって。流れもいいし。
千葉:無意識にバランスを取りながら次の曲作ってるから。同じような曲って避けるじゃないですか。巡り巡って来る場合はあるけど。
daigo:曲順も起伏があって、最後まで飽きない。
SENSHO1500:前アルバムの『カエルのうた』は1回聴くとわかるけど、今回は2回・3回聴いて「なるほどな」ってなるんだよ。
千葉:オトナになったんだよ。でも、それはTYPHOONの『piece of mind』も同じだよ。お互いそういう時期なんじゃないかなって。
daigo:でも、ポップな曲ってライブでやりやすい?
南雲:『18〜エイティーン』と『〜イシダイ君』はやり慣れてるから。
千葉:でも『レッツゴーイシダイ君』は転調とかするからまだやり慣れてはないけど。『オーロラ』をどうやってやろうかと思ってるよ。しかもアルバム表題曲にしちゃったもんだから、ライブでやらないわけにはいかないしね(笑)。これ盛り上げる力量がまだないから…。
daigo:アルバムの後半3曲もライブ映えしそう。『麦わら帽子とワンピース』はライブで聴きたい。
千葉:これは唯一ライブを意識した曲。パンクっぽい曲がないから。
daigo:そういえば、先月号のRooftopでスケルトンズにインタビューしてもらったとき、俺等はライブを考えて曲作ってるって言ったけどスケルトンズは真逆だったじゃん。こういうのができてライブにどう持ってくのかが興味深い。
南雲:今までもライブ意識して作ってないから…。
千葉:レコーディングの仕方が1曲できたから次の曲をレコーディングするっていう感じだったし、その時その時で曲を作ってるから。
daigo:だから1曲ずつ音が違うんだ。毎回ドラムの環境とか違うもんね。
南雲:曲がないのにレコーディング入っちゃってるんですよね。
千葉:レコーディングの予定だけジャンジャン決まっちゃってる。
千葉さんがもうひとつ成長できるツアー
daigo:ところで、合同ツアー楽しみですね。
SENSHO1500:アルバムの後半がライブっぽい感じがしたからバンドっぽいかんじになるのかなって。
千葉:練習しなきゃな。でもね、結局今のところはどんな曲でも4人でやればスケルトンズになる。もっとはみ出したいって言う欲求もあるんだけど、元がこれだからあんなのもやってみたいってのもあるけど、結局できないんだもん。
南雲:聴く側を楽しませようっていうのを考えちゃうから。
千葉:今後は『君のこと』みたいに進化してくんじゃないかなって思う。曲は今まで通りだけど、リズムでオトナっぽくなったりとか。
SENSHO1500:ツアーの抱負は?
千葉:せっかくTYPHOON24と一緒にいる時間が長いから、ライブバンドのHOW TOを盗めればと思いますけど。やっぱり俺等メンタル面が弱いから。
daigo:俺等もそんな強くないよ。
千葉:ライブの打率が高いんだよ。
南雲:僕らはランスみたい。
SENSHO1500:ホームランか三振か。
千葉:でもTYPHOON24はいつもエンタイトルツーベースを打てる。
SENSHO1500:3人しかいないから。
daigo:俺から見るとスケルトンズはMCも含めて無敵な感じがするけど。
南雲:いやいや、千葉さん次第なところありますよ。千葉さんは自分がみんなに愛されてると思ってるんですよね。それで、イレギュラーなことが起きちゃうと気持ちがぶれちゃうんですよね。だからすごいアウェイ行ったときは僕らが千葉さんと一緒にがんばるってところを見せれば千葉さんは安心してできるんですけど。でも、、、あまり好かれてないですよ(笑)。
千葉:(笑)最初からね。
南雲:自分達のお客さんがいっぱいいると愛されてると思うから、そこに向けてやっちゃうんですよ。もっと広く見て欲しいってところはあるんですけど。だから千葉さんがもうひとつ成長できるツアーにしたい。千葉さんありきだから。リーダーだし、作詞作曲をする人間だし。僕らも信頼しているので、カリスマ性を今以上に出して欲しい。
daigo:ライブで波があるのはしょうがないことだよね。でも、その波をなるべく少なくするのがね。
千葉:それをするのが今回の目標。6月にはお互いロフトワンマンもあるしね。
―――共通の何かやります?
SENSHO1500:前回はお互いの曲をカバーしたね。
千葉:もし今回やるとしたら俺ら『TEXAS RADIO』やるよ。
SENSHO1500:俺ら『海賊』。
千葉:そしたらdaigoさんがサンパウロのDJやるんですよ(笑)。
daigo:………。
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