Monthly Free Magazine for Youth Culture
ROOFTOP 8月号
CLUB251 presents 251 LIVE RALLY 2

続・徹底的に、現場主義
下北沢CLUB251がオーガナイズするライヴ・オムニバス第2弾!

 昨年9月にリリースされた『251 LIVE RALLY 1』(apnea、wash?、JOHN BRIEF、ハッカ、The Fuzz Picksが参加)に続く、下北沢CLUB251がオーガナイズするライヴ・オムニバス盤の第2弾『251 LIVE RALLY 2』がさる6月末に発売された。“徹底的に、現場主義”をモットーに約12年のキャリアを貫くCLUB251の現場スタッフが選りすぐった新進気鋭アーティストのライヴ音源を“音の出るフライヤー”としてパッケージしたこの逸品、今回も参加アーティストとその楽曲に一切のハズレなしであり、現場の空気をとことん活かせるようにと、レコーディングからミックス・マスタリングまでを251のスタッフがすべて手掛けたというまさに究極のホームメイドジャム・アルバムなのだ。また、一人でも多くの音楽ファンに伝えたいというスタッフの熱い想いから、5アーティスト10曲(そのうち書き下ろしの新曲が実に6曲!)入りで税込み500円(ワンコイン)という太っ腹にも程があるお買い徳盤でもある。
 こんな世知辛い世の中に、あえて荒野を行くが如く良質な家内制手工業盤を提供せんとするその心意気を感じ、かつエールを贈るべく、本誌ではこの『LIVE RALLY』シリーズの首謀者の一人でありCLUB251店長でもある河崎雅光氏に同オムニバスの魅力について語ってもらった。(text:椎名宗之)

河崎雅光(下北沢CLUB251店長)が語る『251 LIVE RALLY 2』の魅力 「コンセプトは“音の出るフライヤー”なんです」

河崎雅光(下北沢CLUB251店長) 去年の9月に『251 LIVE RALLY 1』を出した時はCLUB251がオープン11周年だったんですけど、それ以前から店が10周年を迎える節目の年にCLUB251発の音源を出したいという思いがありまして。同じオムニバスを出すにも、普通にスタジオでレコーディングした曲を安直に寄せ集めるよりも、ライヴが命で10年以上こだわってやってきた251ならではのライヴ盤を出したいというところから企画がスタートしました。

 このオムニバスの大きな特徴は、レコーディングからミックス・マスタリングまでをすべて251スタッフが手掛けていて、基本的に録り直しは一切なしというところですね。ミックスはその日のPAが受け持っていて、確かにプロのエンジニアさんに比べたらミックスの腕は劣るのかもしれませんけど、その時にしか味わえない音圧とかライヴ感を出すには最適な選択だと思ってます。そういうラフな部分を出してもそのまま通用できるバンドを厳選することにもなりますからね。

 コンセプトは“音の出るフライヤー”なんです。税込みで500円(ワンコイン)という低価格に設定したのもそんな理由からで、誰の目にも触れるフライヤーのように、一人でも多くの人に聴いてほしいという僕達の強い気持ちの表れなんですよ。それと、500円にしたのは物販で売りやすくするためでもあるんです。ワンコインならお釣りもそれほど必要じゃないだろうという理由で。ちなみにこの価格設定、ウチのボスは泣いてましたけどね(笑)。

 第1弾も今度の第2弾も、10年以上やってきたなかで251と繋がりが深かったり、スタッフが心から恰好いいと思えるバンドの曲を厳選して詰め込んでいます。今回はウチのスタッフ5人が半年くらい前から打ち合わせに打ち合わせを重ねた結果、この5アーティストを選出しました。

 第1弾を出した時にもレコ発ライヴはやったんですが、もっともっといろんな人に聴いてほしいという気持ちから、今回は参加してくれた5アーティスト主催によるレコ発を6月に5回別個で行ったんです。だから第2弾のほうがより多くの人にこの“音の出るフライヤー”が行き渡った感がありますね。個別のレコ発があれば、そのライヴには出演するけど『LIVE RALLY』にはまだ参加していないバンドのお客さんにもアピールできますからね。最近は目当てのバンドを観終えると帰ってしまうお客さんも多いし、251が押している不特定多数のバンドを好きになってもらえれば…というのもこの『LIVE RALLY』の大きな狙いのひとつでもあるんです。

 今回収録した5アーティストは、言うまでもなくどれもイチオシです。Milco.は最近菅原(龍平)君の持つ男の色気が増して、ヴォーカルの説得力とソロ・アーティストとしての存在感が格段に増した。ChesterCopperpotは楽曲のクオリティがとにかく天才的なバンド。MU-NYAは僕、オーディション・ライヴを観た時に正直鳥肌が立ったんですよ。音はまだまだ荒削りだけど、センスは抜群だと思います。BITE THE LUNGは自分達の信じるロックを這いずり回りながら不器用にも貫き通すその姿勢が凄く共感できる。aeronautsは彼らが大阪に在住していた頃から251に出てもらっていて、着々と動員を伸ばしてパワーアップしているし、東京のバンドにはないガツガツした感じが魅力ですね。

 僕が考える251らしさっていうのは、ルールがないと言うか、いい意味でジャンルレスな部分ですかね。こだわりがないのがこだわり、と言うか。今年で店長になって2年目なんですけど、バンドがホームと感じてもらえたり、腹を割ってとことん話をできるようないい雰囲気作りを心懸けつつ、ステージに立つ時にはどのハコよりも緊張するようなライヴハウスでありたいと思ってます。面白いと思ったものに対しては貪欲に、臨機応変に対応できるフレキシブルな現場ですね。そんな現場だからこそ、こうした手書きの学級新聞のようなオムニバス盤(笑)を柔軟な発想で出せるんだと思います。第3弾、第4弾と今後も続けて出していきたいし、同じ趣旨のもとで440ヴァージョンもいずれ出してみたいですね。ライヴハウスは人と人が作り出すものだし、この『LIVE RALLY』もそんな手触りの感覚があるので、是非たくさんの人に聴いてほしいです。(談)

★参加アーティスト紹介

Milco.
Milco. オータムストーン活動休止後、'03年にヴォーカルの菅原龍平がソロ・ユニットとして「Milco」をスタート。'04年8月には1st Album『FLAMING YOUTH』をリリース。同じ頃TVKのミュートマジャパンでは『FASTER』が8月度のビデオクリップ・ダービーで1位に選ばれるなど、各所でヘヴィ・ローテーションとなり注目を集めたのも記憶に新しい。今作でも天才的メロディ・メーカー菅原龍平健在と言わしめる、書き下ろしの新曲2曲で、本盤のオープニングを飾ってくれた。

ChesterCopperpot
ChesterCopperpot “和製”BEN FOLDS FIVEか? KEANEか? はたまたBILLY JOELか!? そんな形容にははまらないオリジナリティで今後絶対的大注目のチェスターコパーポット。New Releaseのミニ・アルバムには未収録の2曲で参加。'01年に結成された神奈川県相模原市出身のひねくれ3人組バンド。下北沢を中心に活動中。ピアノとギターの両楽器を操りながら多種多様に楽曲の表情を変えていくその音楽性は唯一無二。歌ものポップでヘッポコロックな中毒性大のライヴも是非ともご堪能あれ!


MU-NYA
MU-NYA  '03年1月結成。'04年4月から下北沢を中心に活動を始めたばかりで、まだ1年程度のライヴ・キャリアにも関わらず、大きな存在感で未知数の将来性を大いに期待させてくれるMU-NYA。詞、曲を手掛ける紅一点21才の女性ヴォーカル、アイが発するヒリヒリとしたような声は、独自の詩世界と相まって充分説得力を放つ。上手く飾ることが出来なくても、不器用にでも生きるをテーマとするMU-NYAのありのままの詞や歌や音を聴いて下さい。New Releaseの自主制作盤には未収録の2曲で参加。

BITE THE LUNG
BITE THE LUNG  '00年4月、八王子にて結成以来下北沢で精力的にライヴ活動を展開中。'03年夏、Album『ハグレバード』でインディーズ・デビュー。以後2枚のシングルをリリース、同時に積極的にツアーに出るなど全国的に名を広めている。今時珍しいぐらいに印象的なギター・リフと、ザクザクと切り込むようなビートは、もはやバイトザラング・サウンドと言い切れる。本盤には新曲2曲を収録。口から心臓が飛び出る程にハイテンションなライヴも必見です。

aeronauts
aeronauts  大学のサークルをきっかけに前身となるバンドを結成。大阪を中心に活動を続け、'03年にバンド名をaeronauts〈エアロノーツ〉と改名。新たなスタートを踏み出し、立て続けに2枚のMaxi singleをリリース。2nd Maxi single『Anything but a girl dancin'』はオリコン・インディーズ・チャート第5位にランクイン。'04年2月に1st Album『WASH』をリリース、各方面で高い評価を受け、CD店のチャートを賑わせた。'04年10月には、前作から約3ヶ月振り、待望の3rd Maxi singleをリリース! 現在、拠点を東京に移し、下北沢を中心にライヴ展開中!!

251 LIVE RALLY 2
Troll music TRM-008
500yen (tax in)
IN STORES NOW

251 LIVE RALLY 2

01.「そばにいたい」Milco.(☆)
02.「ハッチバック」Milco.(☆)
03.「チェスタ−コパーポットのテーマ」ChesterCopperpot
04.「空炭酸水日和」ChesterCopperpot
05.「1208」MU-NYA
06.「ブレーメン」MU-NYA
07.「ロマンス」BITE THE LUNG(☆)
08.「ネスト」BITE THE LUNG(☆)
09.「blue」aeronauts(☆)
10.「mylife-asdog」aeronauts(☆)
☆=書き下ろし新曲

『251 LIVE RALLY 2』取扱店

全国タワーレコード/下北沢ハイラインレコーズ(ライヴラリーフェアー開催中、各種特典有り)/ディスクユニオン各店(サイン入りフライヤー付き)/タハラ厚木店/町田ジョルナ店/北海道・玉光堂各店/札幌・音楽処/大阪・spica record 及びトロールミュージック通販にて発売中

CLUB251 WEB SITE
http://www.club251.co.jp/
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