ジャーンって弾いて、みんなが唄い出した時に「バンドっぽいなあ」って感じた。(萩原)
──ライブ本当に素晴らしかったです。まずは今終わったばかりですが、感想を。
高田:出演者のくせして健ちゃんの大ボケなMCに素で大笑いし過ぎて酸欠になって、その後色んな小さい段取りを忘れてしまいました。ごめんなさい(笑)。
曾我:やってて、初ライブから丁度一年っていうのが信じられない位、凄く昔から一緒にやってるような感じに思いましたね。濃い一年を過ごせたんだな、と思いました。
萩原:オープニングでオレがジャーンって弾いて、みんながポーンって唄い出した時に「バンドっぽいなあ」って感じがしたなあ。選んでる楽曲は色んなミュージシャン達誰とでも分ちあえるものじゃなかったりするんだけど、この4人だと「じゃあ『SURF'S UP』やるね」って言って、ポーンとオレが弾くとみんなでコーラスしてバッチリ唄えてんだよ! もう今日のライブでも弾きながら夢のようだと思ったよ!高校生の頃のオレに見せてやりたいよ(笑)。
黒沢:9月に大きいライブやツアーも控えてるし、なんとなく今回は4人ともバンドとしてもショーアップし、MCもタイトにして.....みたいな意識があったんだけど、いざ始まったら結局いつものロフトプラスワンの感じになって(笑)。ここでしか出ないあの独特なノリのライブになって、でもそれが凄い楽しくて、「やっぱ健'zはここから生まれたんだなあ」と思いました。
知らない曲でも「これヤッチンの声に合うから唄ってみれば?」って(曾我)
──健'zから健'z with Friendsになって今回レコーデイングした訳ですが、何かレコーデイングコンセプトととして変わった部分とかありましたか?
萩原:例えばコーラスで言うと、オレと健一2人だけでもコーラス多重録音したりとか、その気になればなんでも出来ちゃうんだよ。でもオレは、コーラスは違う声で混ざんなきゃダメだ、っていうこだわりがあって、同じ人の声で重ねたコーラスはオレはコーラスとは思えなくて、そこにはオレが好きなドウーワップのスリルがないんだよ。全員がひとつのマイクに向かって「せ〜の」で唄った時の一斉に同じ空気を震わせるのが好きなんだ。要するにオレは一体感が欲しいんだよ!だから今日もライブでお客さんみんなに「ヤッチンのソロボーカルパートの時にはヤッチ〜ン!って黄色い声援を飛ばしてくれ!」とかお願いしたりしたんだよ(笑)。
全員:(笑)。
──今回の選曲はどういう基準で?
萩原:選曲会議とかやってるけど、ライブにしろアルバムにしろ、基本的にオレがこの3人に是非唄って欲しいって曲を選んできて、みんなで意見出し合うって感じ。
曾我:例えば健太さんが、僕の知らない曲でも「これヤッチンの声に合うから唄ってみれば?」って誰かの曲を持って来てくれるのって嬉しいじゃないですか? 僕の声を聞いて理解してくれてて、その上で音楽評論家萩原健太の膨大なライブラリーの中から僕に合う曲を1曲だけ持ってきてくれるって事は、やっぱきっとドンピシャリな曲を持ってきてくれてるって思うし、実際唄ってみて「自分ってこんな歌も唄えるんだ」って逆に気付かせてもらったし。
高田:私も一緒です。知らない曲を健太さんが持って来ても、断るって選択肢は一切無いんですよね。聴いてみたら「是非唄わせて頂きます!」って感じで。
萩原:だからオレにとっては凄い贅沢なジュークボックス状態を楽しませてもらってるのかも知れないよね。3人はそれぞれソロでやってる人達だから、今のこの時代にこの時点で作りたい曲を作って唄ってて、それは当然素晴らしい事なんだけど、それ以外にも世の中にはこんなに沢山イイ曲があって、しかもそれぞれの声に合うイイ曲もいっぱいあって、「これ誰々が唄ったらイイだろうなあ.....。それだったらオレこういう風にギター弾きたいなあ......」みたいなのが頭の中にいっぱいあって、「これ頭の中だけじゃもったいないから出さない!?」みたいな感じだよね。
対訳で「書いてない事は訳すな」と健太さんに教えられた(黒沢)
──それと今回健一くんが対訳を付けてるのが非常に健一くんらしいなと思いましたが。
黒沢:対訳は健太さんの教えで、「書いてない事は訳すな」というのがあって、その教えを守りながら頑張りました。今回凄く感じたのは、翻訳というのは英語が分かるとか分からないという事じゃなくて、英語の語意が日本語の語意に元々無いもんだと、とても難しいもんなんだなと思いましたね。『SAVE YOUR HEART FOR ME』って曲タイトルを日本語に直す時に、「あえて日本語で言うならこういう事です」って感じで訳すと、それはその日本語にした時点で意味が変わってしまうっていう。その距離感というかジレンマが凄いありましたね。
萩原:翻訳は難しいよ。「要するにこういう事を言ってるんですよ」って事で翻訳するのは簡単なんだよ。でも「この英語の文章を日本語に訳しなさい」って言われた時に「要するに.....」じゃやっぱダメな訳じゃない?
黒沢:あと、ついつい自分の気持ちが入って対訳したりした曲もあるんだけど、それがビーチボーイズの曲だったりしたら、健太さんから「こんな事ブライアンは唄ってない」ってダメ出しで返ってきたり(笑)。
──やっぱ又そこでモメてるんだ(笑)。
萩原:だから最初止めたんだよ。健一が翻訳出来ないんじゃなくて、翻訳って事自体が元々出来ない事なんだからって。でも健一がどうしてもやるっていうんで、その心意気に任せてみたんだけど、ただビーチボーイズ、ブライアンだけはオレが納得する翻訳じゃないと許さないみたいな(笑)。
音楽ファンである自分を守るのと健'z with Friendsの活動をするのはどこかで一緒なんだ。(萩原)
──発売されたアルバムが凄いチャートアクションしたりしてて。そうなるとやっぱり、4人のモードも変わってきてしまう部分もあると思うんですが。
萩原:いや変わらないよ。でも、健'z with Friendsで今日みたいなステージをやったり、アルバムを作ったりする為に物凄い色んな事に耐えたり頑張ったりしてるとこはあるんだよ。音楽が大好きで音楽業界に入ったのにこの業界にいると音楽ファンじゃいられなくなる時ってある訳じゃない?だから音楽ファンである自分を守るっていうのと、健'z with Friendsの活動をするっていうのはどこかで一緒って感じがあるんだよね。
曾我:僕が個人的に嬉しかったのは、僕は“ザ・グッバイ”ってバンドでジャニーズからデビューしてから、音楽っていう部分での勉強や教育がなかなか出来てなかったんだけど、今回健'z with Friendsに僕が参加した事によって、昔からの僕のファンのコ達から「初めて洋楽というものに触れて感動しました」って沢山言われた。
全員:へえ〜〜。
曾我:「健'z with Friendsで洋楽の凄さ、洋楽の楽しさを学びました」って言われて凄く嬉しかったですよね。だから僕をキッカケに誰かが又知らない音楽を好きになるきっかけを作ってあげられてる事は素晴らしいと思う。
私達4人みんな血液型もバラバラ。(高田)
──そして遂にロフトプラスワンを離れ東名阪ツアーをやる訳ですが、観に来るファンの方々に何か。
萩原:オレ最近思うんだけど、オレ達の音楽って最小限のスタイルで最大限の事をやろうとしてるから、結構観てるお客さんを緊張させてんじゃないかな?と思うことがあるんだよね。だからこれはライブを観に来るお客さんにお願いとしては「まあ、楽に観に来て下さい」って事だよね(笑)。
黒沢:うん。「なんだこいつら余裕ありそうに見せてるけど、イッパイイッパイじゃん」って笑いながら観てほしいですよね(笑)。
曾我:だからそういう時に、オレ達はいつも健太さんのMCに救われる訳ですよ。
黒沢:プロフェッショナルなのであれば、たとえ前日に決まった曲でも、3分前に決めた構成でも、お客さんにそれを気付かれない様にバッチリ決めなきゃいけない訳ですよ。でも健'z with Friendsの場合は、前日に決まった曲をやる前に健太さんが「昨日決まった曲なんで間違えるかも知れません。しかも間違えたらやり直します」とかまんまMCしたりするじゃないですか(笑)。それがやってるこちら側としても、それを許してる空気感が健'z with Friendsにはあるんですよね。
萩原:あと今後の願望としては、4人それぞれが元々ジャンルもキャラクターも全然バラバラだから4人のそれぞれのファンがそれぞれをひいき目に見ての感想とかをくれるのも嬉しいんだけど、これからは誰か一人というわけではなく、「健'z with Friends全員のファン」というバンドファンもドンドン増やしていきたいよね。
高田:そう言えば私達って4人みんな血液型もバラバラなんですよね。
──えっ? ホント!?
萩原:うん。ヤッチンがA、健一がB、オレがAB、みっちゃんはO。それって健'z with Friendsを凄く象徴してて、4つの別々のキャラクターが全部揃っててて、それが奇跡のバランスで上手く調和して繋がり合ってて。
──そんなの細木数子とかに言ったら「アンタ達、今すぐ別れなさいっ!」とかって怒鳴られそうですけどね。
全員:(爆笑)
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